まさにお口のお供に最強といえるチーズ。だがそのチーズを超えて虫歯予防効果を持つものがある。

「フッ素です。ミネラルの一種であるフッ素は多くの歯磨き粉に含まれている。WHOも認めており、虫歯予防および修復増強効果は断トツです」

 しかし、日本ではフッ素の持つ毒性を過大に心配し、取り扱いに慎重だった。

「2017年、厚生労働省が歯磨きに含まれるフッ素濃度の基準を従来の1・5倍にすることを許可しました。これでようやく世界のスタンダードに追いついた形です」

「硬いものを噛めば歯が鍛えられる」はウソ

 年を重ねると歯も衰えていき、虫歯や歯周病などのリスクが高まっていく。長く健康な歯を保つには、チーズを食べるだけでなく、歯の健康を阻害する飲食物は避けたいところ。その品とは?

「総じて歯にマイナスなのは酸性食品です。リンゴなどの果物、炭酸飲料などが該当します。中でも特にNGなのがコーラ。コーラは酸が強く、糖分も多いため、虫歯を招く可能性が高いわけです」

 コーラと同じく、酸が強く、糖分も多いワインも要警戒。ワインを飲む際には、つまみとして定番のチーズを最後に食べるようにしたい。

「果物も酸を多く含み、歯を溶かしますが、ビタミンなどが豊富で栄養を考えたら身体に悪いわけではありません。ですから、果物のとり方に注意すればいいでしょう」

 とり方によって歯への影響が変わるとは、具体的にどういうこと!?

「果物を食べる、果物を使ったフレッシュジュースを飲む、どちらが歯に悪いと思いますか? 正解はフレッシュジュースのほうです。フレッシュジュースの場合、口内の酸性濃度が一気に高まり、糖分も歯に付着しやすくなります。

 対して果物を食べる場合は、噛むことで唾液が出て酸を中和し、同時に歯の修復も図られます。したがって、果物をとるならジュースよりそのまま食べたほうが歯の健康にいいのです」