まず、なぜ「しっとり」しているのか。もちろん商品によって違いはありますが、そういう「しっとり食パン」に限って、「油分(脂質)」が大量に入っている場合が非常に多いのです。

「しっとり」の理由は「油分(脂質)」

 たとえば、「しっとり、ふわふわ」を謳う食パンの「原材料表示」を見てみると、下記のように記載されていたりします。

小麦粉、ブドウ糖果糖液糖マーガリン、パン酵母、脱脂粉乳、食塩、乳化剤、pH調整剤、糊料(キサンタンガム)、イーストフード、ビタミンC(一部に乳成分・小麦・大豆を含む)
*メーカーによって違いがあります

「植物油脂」「バター」「マーガリン」「食用油」「ショートニング」など、パンによって種類は違うでしょうが、とにかく「相当な量の油」を入れ込んでいます。

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 私の試食したパンのひとつにも「マーガリン」が使われていました。

 それもかなり水分の多いマーガリンだと思います。「コーヒーフレッシュ」を思い浮かべていただきたいのですが、あのぐらい水分が多い。マーガリンもコーヒーフレッシュも原理としては同じで、「水」と「植物油」を乳化剤で乳化させたものです。

 これを使えば水分が飛ばないから、しっとりした焼き上がりになるわけです。この食パンに使われている脂質は6枚切り1枚あたり5グラムほどでした。これは普通の食パンの倍以上です。

 脂質が多いといっても、そのまま食べればまだいいでしょう。しかし、多くの人はこれにバターやマーガリン、スプレッドなどを塗って食べると思います。そうしたらトースト1枚でいったい、何グラムの脂質をとることになるでしょうか。

 よくホテルの朝食ビュッフェなどに置いてある、使い切りのバターやマーガリンのポーション、あれがだいたい8グラムです。あるいは「切れてるバター」というのが売られていますが、あれはだいたい10グラムずつにカットされています。

 つまり、トースト1枚で13~15グラムもの脂質をとってしまうことになるわけです。

 ちなみに脂質は成人の場合、1日で50グラムほどが目安とされます。朝の食パン1枚で15グラムをとってしまったら、その日はよほど気をつけなければ、脂質オーバーになってしまうでしょう。