回収できなければ公金の無駄遣い

 冒頭の弁護士は、弁護士費用についてこう話す。

「大きく分けて2つあり、裁判の勝ち負けに関係なくかかった時間で計算する“タイムチャージ制”と、以前から行われている“着手金と成功報酬”です」

 一般的なのは後者で、ほとんどの弁護士事務所は日弁連などが設けている基準に沿って費用を決めているという。この基準に当てはめてみると……

「着手金の計算式は請求額×3%+69万円。今回の訴訟だと着手金は約208万円となります。交通費などの諸経費はあくまでおまけだと思うので、500万円という設定は明らかに高すぎですね」(同・弁護士、以下同)

 通常の場合、請求額には弁護士の成功報酬は入れないようだが、

「成功報酬の計算式は請求額×6%+138万円が大体の目安。今回であれば約416万円で着手金と合わせると624万円。これなら妥当な金額になりますが、もし成功報酬を含んでいないとしたら弁護士にぼったくられていますよ(笑)」

 もしX氏が本当にネットカジノで使い果たして回収困難ならば、4630万円だけでなく弁護士費用などの諸経費500万円も公金で支払うことになる。これは、町の金をさらに無駄遣いしたも同然だ。

 阿武町役場に連絡して、詳細な内訳を確認しようとしたが、代表番号はずっと話し中。取材や苦情が殺到しているようで、やっと電話がつながったが担当の副町長からは期日までに回答は得られなかった。もし成功報酬が含まれない弁護士費用であるならば、至急見直してほしい。

 たかだか4630万円で、X氏は一生を棒に振ることになるとも。

「X氏の顔写真がネットで出回ってしまうのも時間の問題。ここまで有名になってしまうと、二度とまともな職に就けない可能性だってある。まだ24歳だというのに、いったい何を考えているのか……」(前出・弁護士)

 この騒動、まだまだ収まりそうにない気配だ。