今やインフルエンサーとなった大崎さんが決めていることがある。

日常に喜びを、生活に愛を

「人を傷つける投稿はしません。読んだ人が共感してくれるような、“あぁ自分もそう思ってたんだ~”と感じたり、納得してくれるようなつぶやきが、私にとっては良いツイッターですね」

 大崎さんのツイッターは朝の挨拶から始まる。そこでよく使われる言葉が『気合』ならぬ『喜愛』。日常に喜びを、生活に愛を忘れない大崎さんらしい造語だ。

「湿っぽいのは嫌いなの。私には娘が1人いる。元夫とは、娘を産んでから間もなく離婚したけど、まだシングルマザーが少なかった時代でね」

 お金もなく、30代は苦労の連続だった。

「でも、人前でつらい顔を見せることはしなかった。矜持と言うのかしら。何でも1人でやらなきゃいけないんだから、弱音を吐いても仕方ない。1人になると強くなるわよ~」

 娘は24歳でロンドンに留学して、そのまま国際結婚。

「娘と一緒に暮らしていたころはいろいろ頼っていたけれどね。Wi-Fiの設定も(テレビにつける映像出力機器の)ファイヤーTVスティックの取り付けも、なんだかんだ全部自分でやれたのよ!」

「ネトフリを見ながらお酒を一杯」

 20年ほど前から練馬区の2DKの都営住宅で暮らす大崎さん。ダイニングとベッドルーム、テレビの置いてある和室は物が少なくてすっきり。玄関や壁際には、写真や花、香炉などが飾られ、シンプルながら美意識の感じられる暮らしぶりだ。

大崎さんが「広くはないけど私のお城」と語る2DK 撮影/林ひろし(書籍『89歳、ひとり暮らし。お金がなくても幸せな日々の作りかた』より)
大崎さんが「広くはないけど私のお城」と語る2DK 撮影/林ひろし(書籍『89歳、ひとり暮らし。お金がなくても幸せな日々の作りかた』より)
【写真】大崎博子さん晩酌メニュー、小皿にちょこちょこのったお料理が美味しそう!

「コロナ禍の前は、近所の友達が部屋に来てたわ。今はそういうわけにはいかないけど、いつ人が来てもいいような部屋にしていますよ。冬は和室にこたつを置いて、ネトフリを見ながらお酒を一杯。これは最高の時間ね」

 韓国ドラマが大好き。20年前の韓流ブームのときにはイ・ビョンホンのファンになったという大崎さん。今でも、ネットフリックスで韓国ドラマを見るのが日課だ。

「最近見て良かったのは、『私たちのブルース』。お目当てはもちろんイ・ビョンホン!(笑) 『イカゲーム』も見たわ。あまり好きな作風じゃなかったけど最後が気になって見ていたら、イ・ビョンホンが出てきてびっくり」

東方神起は5人組のころからのファンだ 撮影/林ひろし(書籍『89歳、ひとり暮らし。お金がなくても幸せな日々の作りかた』より)
東方神起は5人組のころからのファンだ 撮影/林ひろし(書籍『89歳、ひとり暮らし。お金がなくても幸せな日々の作りかた』より)