【ガイルVSガイル】はあれども、コラボステッカーには「ザンギエフ」の姿はなく(ローソン公式HPより)
【ガイルVSガイル】はあれども、コラボステッカーには「ザンギエフ」の姿はなく(ローソン公式HPより)
【写真】ザンギエフを外した結果「ガイルVSガイル」の違和感残るステッカーに

 2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、4か月以上経った現在も続いている。その間に日本も含めた世界各国の企業による“ロシア離れ”が加速し、ウクライナ支援を呼びかける声が高まると同時に、一部で反ロシア感情も高まっている。

 日本国内でも、ロシア料理店に対するネット上での嫌がらせや中傷が相次ぐなど、在住ロシア人への差別的なヘイトスピーチが横行。4月には、乗客からのクレームを受けて、JR恵比寿駅にあったロシア語の案内表記を覆い隠していたことも発覚した。

 架空の人物とはいえ、ザンギエフがキャンペーンから外されたのも、ロシア侵攻に影響されてのことなのだろうか。ローソン広報部に理由を聞くとーー。

「権利元より提示されたキャラクターを起用しています」と、一言のみの回答があった。権利元であるカプコンによる判断ということか。(※『株式会社カプコン』に見解を問い合わせ中。回答があり次第追記します)

少数のクレームを聞き入れた結果

 ネットトラブルに詳しいITライターは「過剰配慮しすぎた結果かもしれません」と、今回のキャンペーン対応の苦作に同情する。

「ザンギエフ除外に制作側の差別的な意図は全くないでしょう。現在のロシアに対してあまり良い印象を持っていない論調が少なからずあるのは事実で、ウクライナ情勢を顧みて配慮したものと考えられます。とはいえ、実際に“ロシアだ”と声高に叫ぶ人はごくわずかで、そのクレームにも近い少数意見を聞き入れた結果、それが逆に“差別”に受け止められて大きな批判を招くリスクもあるのです」

 恵比寿駅の件でも、すぐさまJR東日本の深谷光浩東京支社長が「差別との誤解を招く行為で不適切だった。深くおわびしたい」と謝罪し、ロシア語の案内表記は元通りに掲示された。過剰な配慮と自主規制は、時に裏目に出ることもあるようだ。

「仮にザンギエフを起用したとしたら、たしかにクレームを入れるネットユーザーが出たとも考えられますが、実際のところは一般消費者は気にもしませんよ。むしろ除外したことで逆に違和感をもたれ、それこそ出身国に関係なくゲームファンに長年愛されるキャラだっただけに騒がれてしまったのでは?」(前出・ITライター)

 配慮しすぎるのも、かえって騒動を大きくするというわけか。