「もともと好きだった太宰治と坂本龍馬が36歳で亡くなっているから、僕もなんとなく36歳で死ぬと思っていたんです。なので、今は、余生を楽しんでいるという感じ。その最中に子どもが生まれちゃったから、あと30年くらいはダッシュしないといけないんですけどね(笑)」

 こう話すのは、このところ自身のSNSに投稿する写真のその姿が、子役時代から大きく変化していると話題になっている黒田勇樹だ。

 1歳で芸能界入りし、5歳にはNHK大河ドラマ『武田信玄』で俳優デビュー。12歳で出演したドラマ『人間・失格』(TBS系)で一躍その名を世に知らしめると、目鼻立ちの整った“美少年俳優”として、テレビドラマや映画、舞台など多くの作品に出演した。

 現在は主に舞台演劇の作・演出をしているが、そのきっかけを与えてくれたのは、子役時代に出会った恩人だ。

俺が8歳のとき、宇梶剛士おじさんが“おまえは小劇場を見ないとダメだ”って首根っこつかんで劇場に連れていってくれました。そのときは、渡辺えりさん主宰の『劇団3○○』の舞台を見せてもらって。僕がいま演劇をしているのは、そのおかげだと思います。宇梶おじさんとは今でも変わらず付き合っていて、突然“勇樹、いまから仙台行くぞ”って家の前に車で来てくれたり(笑)。ミュージカルやオペラは以前から見ていましたが、小劇場の芝居を教えてくれたのは宇梶さんでしたね」

28歳で突然、芸能界を引退

 黒田は先輩にかわいがられる性格のようで……。

「先輩俳優に、六角精児さんがやっていた下北沢のお店によく連れていってもらって、そこでずーっと演劇の話をしていました。最高でしたね。とある映画監督に映画の話題を振られて、“生意気だった17歳くらいの黒田くん”が“1回も一緒に仕事したことないのに、そんなこと聞かれてもしょうがなくね”と言ったら、翌月にその監督の映画に出ていたことがあります(笑)」

 そして28歳で突然、芸能界を引退した。