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ー 新聞に載った事実無根の葬儀内容

 死してなお、お騒がせ女優の面目躍如だ。

 7月25日に69歳で亡くなった女優の島田陽子さん。

新聞に載った事実無根の葬儀内容

 '70年にドラマデビューを果たし、翌年放送の『続・氷点』(TBS系)では最高視聴率42.7%を記録し、その名を刻んだ。'80年にはアメリカのドラマ『将軍 SHOGUN』に出演し、国際的な女優としても活躍をしたが、'88年に主演映画で共演した内田裕也さんとの不倫が発覚。

「内田さんは離婚届を提出しましたが、妻であった樹木希林さんが離婚無効の訴訟を起こし騒ぎとなりました。結局ふたりは離婚せず、生涯“夫婦のまま”だったため、島田さんは内田さんと結婚できませんでした」(ワイドショースタッフ)

 その後の島田さんは、女優業に力を入れるも数々のトラブルが報じられた。

「借金問題が発覚し、'92年にはヘアヌード写真集を発売しました。'94年には大河ドラマを急きょ降板し、自宅のローン未払いと税金滞納で競売にかけられてしまった。'96年には自叙伝の記述について出版社ともめ、その後も愛車の修理代などをめぐってトラブルを起こし、57歳でセクシービデオに出演して話題になりました」(同前)

 島田さんの訃報を受けてスポーツ紙は、

《7月26日に通夜、27日に告別式》と、死後の日程を報じた。

 記事は現場の詳細も伝えられていた。「十数人の近親者のみ」「淡いブルーのドレス」「遺影のほかに米ドラマ『将軍 SHOGUN』出演時の場面写真が並べられていた」などなど。

 ところがこれが、まったく事実無根。だったのだ。

 なぜスポーツ紙は偽情報をつかまされたのか。真相は次のようである。

「島田さんを看取ったマネージャーが窓口になっていました。その方が、問い合わせに答えた日程をそのまま報道しました。芸能界もコロナ禍で家族葬や密葬などが増えていますので、葬儀告別式の日程は、遺族や所属事務所が発表するものを信じる、ということです。まさか葬儀告別式の日程でをつく、という前提がありませんでした

 スポーツ紙記者はそう事情を伝える。

 生前、島田さんは親族と疎遠だったという。連絡窓口になっていたのは、最後のマネージャーという人物。

「そして最後のマネージャーのを暴いたのが、元マネージャーという構図。新旧マネージャーによる島田さんの奪い合いだったわけです。荼毘に付されていたとされる遺体は渋谷署に保管されていて、遺族の意向も確認できたことで、最後のマネージャーが身元引受人となり引き取ることができたそうです」(前出・スポーツ紙記者)

 15日に荼毘に付され、島田さんの遺骨は自宅に戻ったのだが……。

「一部スポーツ紙によれば、元マネージャーも遺骨の引き取りを希望しているそうです。親族が希望するのは分かりますが、なぜ元マネージャーが?という感じです。財産でもめ、財産相続がらみで遺骨の取り合いをすることは分かりますが、ちょっと不思議な争いですね」(情報番組デスク)

 引き取り者がない場合は、渋谷区の規則で、いずれ区で火葬され無縁仏として合葬される可能性もあったが、無事、自宅マンションへの帰宅がかなった島田さん。関係者もとりあえず一安心といったところだが、生前同様、最後まで話題が尽きない国際派女優であった。合掌。

〈取材・文/薮入うらら〉