死後のためだけじゃない!お金の終活で節約にも

「お金の終活」を行うことで節約に(※画像はイメージです)
「お金の終活」を行うことで節約に(※画像はイメージです)
【保存版】夫の「生前」「死後」の手続き早見表、必見です!

 わが家の財産を全部洗い出し、整理するのがお金終活。その作業は遺された家族のために限らず、自らの今後の生活を救うことにもつながる。

お金終活は、現状把握とともに家計を見直す機会として活用できます」(馬養さん)

 財産の洗い出しにより、初めて全体像を知る人は多いはずだ。するとそこで自然と不要なものが見えてくる。

「例えば銀行、証券の口座やクレジットカードの数が多ければ、目につきますよね。チェックして、使っていないものは解約しましょう。口座やカードの数が多いと管理が大変ですし、不正利用されるリスクもあります」(馬養さん)

 クレジットカードの明細からはサブスクなど利用する課金サービスがわかる。こちらも数が多く不要なものがあれば解約を。

「サブスク以外に毎月または毎年会費を払っている各種サービスも点検してください。特に年会費は年1回の負担のため、口座引き落としのタイミングでなければ気づきにくいので意識して見直すようにしましょう」(馬養さん)

 一方、買い物などで付与される企業のポイントを貯めている人もいるだろう。ポイントが貯まっているなら、その整理もしておきたい。

「企業のポイントサービスの多くは相続を想定していません。実際、財産として相続できないことがほとんどです。そうなるとせっかく貯めたポイントがムダになるので、自身で早めに使い切ることをオススメします」(伊勢田さん)

 お金終活によって家計のスリム化が実現。浮いたお金で老後資金を蓄えよう!

POINT!
・預貯金口座やクレジットカードは数を絞る
・不要なサブスクは解約する
・貯まったポイントは使い切る

教えてくれたのは...

馬養雅子さん(ファイナンシャルプランナー)
馬養雅子さん(ファイナンシャルプランナー)

「個人のお金のアドバイザー」として、金融商品や資産運用に関する書籍、新聞・雑誌の執筆や講演などを行う。介護、相続、終活お金の問題にも詳しい。著書多数。

伊勢田篤史さん(弁護士・公認会計士)
伊勢田篤史さん(弁護士・公認会計士)

 日本デジタル終活協会代表理事。相続問題の紛争対策に力を入れている。著書に『デジタル遺品の探しかた・しまいかた、残しかた+隠しかた』(日本加除出版)などがある。

<取材・文/百瀬康司>