食品や調味料などの相次ぐ値上げで、1世帯あたりの家計負担額は年間で平均7万円増という試算も! 節約したいけれど、メインおかずに肉は欠かせないし、おいしさと満足感もキープしたい……。そんな切実な気持ちに応える調理テクニックを、料理研究家のみないきぬこさんに伺いました。

2つのコツ

「いつもより肉を減らす代わりに、かさが増える食材を追加すれば見た目のボリュームが出て、食べごたえもアップします」

 かさ増し食材といえば、豆腐、もやしやキャベツなどの安価な野菜が思い浮かぶものの、いかにも肉が少ないのをごまかしている感じなうえに、マンネリしがちで家族の反応がいまひとつ。

「おすすめは、肉に味や食感が近づけやすい高野豆腐や厚揚げなどの大豆製品と、弾力があって魚のうまみも同時に得られる練り物です。そしてやはり、定番のもやしや豆苗といったお得な野菜は手軽に使えて便利です」

 では、それらを使って簡単にできる“上手にかさ増しするコツ”はあるのだろうか。

「ひとつは、使う肉とかさ増し食材の形状をそろえることです。例えば細切りの肉を使う炒めもの場合、かさ増しに使う厚揚げも同じ長さと太さにします。ほかの具材といっしょに炒めれば、肉のうま味はありながらも、かさ増しの違和感が薄れます」

 なるほど! 外見を肉もどきにして目から納得させるというわけだ。また、かさ増し食材を切るときはあえて包丁を使わずに手でちぎったり袋の中で潰すのも有効で、不揃いな断面や粒々した食感が口に入れたときの肉っぽさにつながるという。

「もうひとつのコツは目隠しです。“包む、巻く、混ぜる”ことで、肉とかさ増し食材を一体化させます。肉だねに豆腐を混ぜて餃子の皮で包めば見えませんし、口に入れた後も意外と気づかれませんよ」

 そして、具材を“巻く”目隠しにはしゃぶしゃぶ用の薄い肉を選ぶのがポイント。スライス肉はグラム単位で売られているので、同じ重さなら薄切りよりもしゃぶしゃぶ用のほうがパックに入っている枚数が多く、肉巻きのような個数が必要な料理向きだという。

 今回紹介するレシピは、肉の量を通常の半分から7割くらいに抑えているにも関わらず、目も舌も胃袋も大満足! 肉が少なめなので、ダイエットにもよさそう。

「肉が食べられない年配の方には、たんぱく質が豊富な大豆製品のかさ増しがおすすめです。節約しながら栄養バランスもととのいますよ」