そして、トップ3に滑り込んだのが、「この作品で、初めてバスケをカッコいいと思ったから」(愛知県・41)、「面白かったしハマりすぎて散財するは、同人活動までしてしまって、今や黒歴史」(茨城県・49)といった声を集めた『SLAM DUNK』('93〜'96年)。

『SLAMDUNK』(東映アニメーション公式YouTubeチャンネルより)
『SLAMDUNK』(東映アニメーション公式YouTubeチャンネルより)
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 今年12月には、『THE FIRST SLAM DUNK』として劇場版が公開され現在も人気の高い名作だが、連載されていたのは『週刊少年ジャンプ』。少年マンガを女性が支持するのは意外な気もするが……。

「時代背景的に、野球からバスケットボールやサッカーに人気がシフトしていく時期。特にSLAM DUNKによって、“バスケ=カッコいい”という風潮が高まりました。また、たくさんのイケメンが登場する同作は、いわゆる“カップリング”(キャラクター同士の関係性)要素の強い作品なので女性人気も高くなる」(鷹鳥屋さん)

“キャラ推し”文化は昭和から!

 こうしたイケメン、美少年が活躍する作品が支持を集めるのは、今回のランキングを見ても顕著だろう。

 例えば、6位にランクインしている『ベルサイユのばら』('79〜'80年)では、「オスカルがとにかく好きだった」(神奈川県・53)をはじめ、キャラクターに魅了されたという声は多く、9位の『幽遊白書』('92〜'95年)でも、「キャラクターや物語などすべてが好きだった。小中学生でお金がなかったけれどグッズを買っていた」(東京都・41)というように“キャラ推し”の声が少なくない。

『ベルサイユのばら』(TMSアニメ公式チャンネル(YouTube)より)
『ベルサイユのばら』(TMSアニメ公式チャンネル(YouTube)より)

「先のコメントに“同人活動までしてしまって”とありましたが、'90年代前半って作品をモチーフにした女性の二次創作が活発化していく時期。ベルばらから続く、好きなキャラクターを推す“推し活”が花開いていく。

『幽遊白書』で言えば、蔵馬と飛影といった美少年、イケメンがいて、さらにカップリング要素がある。ランクインこそしていませんが、『るろうに剣心』もそうですよね」(鷹鳥屋さん)

放送時期、主題歌……「思い出補正」で記憶に残る

 では、5位の『タッチ』('85〜'87年)はどうだろう? 投票した人の声は、

『タッチ』(FOD/作品紹介より)
『タッチ』(FOD/作品紹介より)

「毎年夏休みに再放送していて見ていた」(神奈川県・45)、「話の内容が今までの野球マンガとは一味違ったから」(神奈川県・53)といった意見が寄せられているが、「夏休みの思い出補正があると思う」と鷹鳥屋さんは笑う。

「今回、このランキングを見て、『タッチ』と『シティーハンター』('87〜'88年ほか)の女性人気がこれほど高いことに驚きました。両作に共通するのは、定期的に再放送をしていた点。前者は夏休みに、後者は学校から帰ってきた夕方に。そうした当時の思い出と相まって印象に残りやすいのではないか」

『シティーハンター』(サンライズWEBサイト/作品紹介より)
『シティーハンター』(サンライズWEBサイト/作品紹介より)

 そして、この2つにはもうひとつ共通点があるという。ズバリ、主題歌だ。

岩崎良美さんの『タッチ』、『シティーハンター』はTM NETWORKさんの『Get Wild』、どちらも大ヒットした超名曲です。主題歌がもたらす影響力の大きさを、この2作品は教えてくれていると思います。もう一度見たいと思うのは、いまなお記憶に残っているということ。再放送×超名曲ともなれば記憶に残りやすいですよね」(鷹鳥屋さん)