そのすべての原因がリチウムイオン電池ではないだろうが、滝沢が近年、見聞きしてきた原因はそれだ。

「燃えたら清掃車の配線がダメになるんで廃車になっちゃうんです。1台1000万円くらいする新たな清掃車を買わなくちゃならない」

 燃えるのは清掃車だけではない。

ゴミから包丁が飛び出したことも

「不燃ゴミの処理場で燃えたという話も聞きます。その発火の原因もだいたいがリチウムイオン電池だそうです」

 実際に処理場でリチウムイオン電池が原因と思われる火災が発生し、重大な被害を生んでいる。復旧には巨額の費用がかかる。三重県伊賀市の処理場で15億円、愛知県稲沢市の処理場では18億円を超える費用がかかっている。

「アメリカではリチウムイオン電池を使った商品は、“使い終わったらこの封筒に入れて送ってください”という『回収システム』があります。日本はまだないんですよね。僕は作ったメーカーが回収すべきだと思います。リチウムイオン電池の捨て方は自治体によって違います。“捨てられません。メーカーに問い合わせてください”とする自治体もあります」

 リチウムイオン電池の処理について発火・炎上の危険性があるなか、メーカーは自治体に任せ、自治体はメーカーに任せているのが実情だ。

「コンビニで回収するシステムを作るなど、きちんと処理する方法はあると思います」

実際に発火したリチウムイオン電池。モバイルバッテリーなど
実際に発火したリチウムイオン電池。モバイルバッテリーなど
【写真】料理がそのままゴミに出された衝撃画像、大量のこけしや発火した電池も

 ゴミ清掃員として、リチウムイオン電池を捨てる人についてお願いしたいことは?

「リチウムイオン電池によって火災が起こる危険性があることを、まず“知る”ことが大事だと思います。リチウムイオン電池の処理は自治体によって違うので、捨て方はそれぞれの自治体に確認してもらえたらと思います」

 清掃員にとって“危険”なゴミはリチウムイオン電池だけではない。ここからは滝沢自身が体験した危険ゴミについて……。

「不燃ゴミで出された『包丁』が飛び出してきて、持ち手のほうがこちらに向いて落ちてきたから助かったけど、逆だったら貫通してましたね……

 また別の意味で怖いものも。