目次
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ー 餅の健康効果3つ
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ー おかずを工夫してさらにヤセ効果を
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ー 餅好きな医師のヘルシーな食べ方

 年末年始にかけて、食べる機会の増える「餅」。さまざまなバリエーションでいくらでも美味しく食べられるが、体重増加が確実では!?

 消化器専門医で、現在はみなと芝クリニックの名誉院長である川本徹先生は、「正月太りの主な原因は、餅ではなく、ぐうたらになりがちな生活習慣や、ごちそうの食べすぎ。適正な餅の食べ方をしていれば、太らない。餅は悪者ではないんです」と話す。

 餅はカロリーの塊、と思いきや、健康効果もしっかりある食材。理由としては主に3つある。

餅の健康効果3つ

 1つ目は「消化のペースがおだやか」。

「確かに餅は少し食べただけでもお腹がふくれます。お米はでんぷんで構成されている食べ物。でんぷんは『アミラーゼ』という消化酵素により体内で分解されていくのですが、もち米のでんぷんは『アミロペクチン』と呼ばれるもので、消化吸収に時間がかかるんです」(川本先生、以下同)

 ゆっくりと消化されていく餅は腹持ちがよく、過食や間食予防になる。でんぷんが分解されて糖に変わるペースも遅いため、血糖値の急上昇もない。そのおかげで糖分の処理が追いつかず、身体にたまることを防げ、糖尿病予防にもなる。

 2つ目は「脂肪になりにくい」。

「うるち米(一般的なお米)と比べると、もち米は『パントテン酸』というビタミンが1・5倍ぐらい多く含まれているんです」

 このパントテン酸は、脂肪、タンパク質、糖質を効率よく消費して代謝を助ける成分だという。そのため、身体の中に残りにくく肥満を防いでくれる。

 そして3つ目は「免疫力アップ」。

「パントテン酸の持つ高い代謝力のおかげで、餅を食べたカロリーはすぐエネルギーに変わります。たくさん熱を発生させる必要がある冬場に餅を食べるのは、実は非常に理にかなっているんです。食べてすぐぽかぽかになれば、身体の機能もよく働く。冬場にうってつけの食材といえます」