作品や自分の好みによって座席を変えてみるのもアリ

 観る作品によって座席を変えてみるのもオツ、というのは、前出の映画ライターのよしひろまさみちさんだ。

「ハリウッドの大作は、ド迫力の映像を最高の環境で観たいものですよね。たとえば『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、2D、3D、IMAX、4D、4DXスクリーン、とスクリーンの仕様が異なるバージョンで上映されてますが、それぞれベストの席が違います。

 ざっくりいうと、IMAXや4Dの大きなスクリーンならできるだけ後方の中央寄り、スクリーンサイズにこだわらないならど真ん中。ただ、『アバター』は現在の最新技術によって、どの席で見ても同じ映像効果と音響効果が得られるよう作られているので、この作品に関してはどこに座っても大丈夫です。前方過ぎると首は疲れますけどね

 では、日本の作品やアニメの作品だとどこがよいのだろうか?

「日本映画に関しても、おおむね中央から後方中央がいいでしょう。たとえば『ラーゲリより愛を込めて』のように、美術セットやロケーションにこだわりを持って作られた作品だったら、全景をとらえ、細かな描写も目に入る後方中央。『THE FIRST SLAM DUNK』などのファン主体の作品だったら、作品に没入できる中央席がいいと思います」

 このように、映画側からのオススメはあるが、最終的にはそれぞれの好みで選ぶのがベストだと、よしひろさんは言う。

「ちなみにあたしは前方か後方通路側が好き。自分が映画を観る体勢やコンディション、観るときのくせなどを考えるとこれがベストなんです。なので、映画側からのベストはふまえつつ、いろいろと体験していただいて、おのおのお気に入りの席を見つけてください」

 このように、色々な視点からの“おトクな席”はあるようだ。映画館に行く際は、これらの視点を踏まえて座席を選んでみるのも一興かもしれない。

イオンシネマ公式HP:https://www.aeoncinema.com/

アップグレードシートについて:https://www.aeoncinema.com/event/future_theater/

お話しを伺ったのは……よしひろまさみち●映画ライター。音楽誌や情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。「sweet」「otona MUSE」で編集・執筆のほか、「an・an」「SPA!」など多くの媒体でインタビューやレビュー記事を連載。日本テレビ系「スッキリ」の映画紹介を担当し、テレビ、ラジオ、ウェブ、イベントなどでも映画紹介を行う。

(取材・文/志村結衣)