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ー 節約強化月間というけれども……

 昨年末、『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)で久々にゴールデンタイムに登場し、ネットをざわつかせたのは、タレントのベッキー。かつては年間400本以上のテレビ番組に出演し、「バラエティの女王」「CM女王」と称されたが、“問題の一件”以来、テレビでの露出がめっきり減っている。

 騒動後、活動休止を経て6年が経過した今でも、以前の好感度を取り戻すことはできず、「嫌いな女性タレントランキング」では常連に。

 アンケートでは「いまだに顔を見たくない」「オモテの顔と裏の顔のギャップが大きすぎる」など、当時のイメージダウンが尾を引くコメントが目立つ。

 それでも時代の波に乗るべく、約1年前にYouTubeチャンネル「ベツキイ!!!!」を開設。登録者数は2023年1月現在で1.4万人あまりとふるわない。ちなみに当事者ではないものの、不倫スキャンダルの渦中から返り咲いた女優の杏は、昨秋の渡仏後もYouTube活動が絶好調で、1年弱で登録者数100万人を突破(現在は112万人)。それでもベッキーは、「いつか上戸彩ちゃんとコラボするのが目標」と前向きだ。

節約強化月間というけれども……

 今や二児の母のベッキー。2021年、事務所移籍の際のインタビューで「子ども服や赤ちゃんグッズもプロデュースしたい」と語り、YouTubeでも“育児と仕事を両立するママ”を積極的にアピールしている。しかし、ターゲットである育児中のママ層の共感を得られているかというと疑問だ。

 例えば、おすすめ絵本を紹介する動画では、「自分で(絵本を)買ったことはほぼない」「ぜ〜んぶ、もらいもんだよ」とポロリ。ほとんどが芸能人からのプレゼントである絵本を紹介した。

「ぜ〜んぶ、もらいもんだよ」と言いながら、おすすめ絵本を紹介するベッキー(「ベツキイ!!!!」より)
「ぜ〜んぶ、もらいもんだよ」と言いながら、おすすめ絵本を紹介するベッキー(「ベツキイ!!!!」より)

 また美容雑誌のインタビューを振り返る動画では、「私は完璧主義で料理も掃除も頑張りすぎ。自分でブレーキをかけられないから、周りに『ベッキー頑張りすぎているよ、休んでいいよ』って声をかけてもらうように、泣きながら頼んでいる」と発言。

 かつて有吉弘行に「元気の押し売り」とあだ名をつけられたベッキーだが、今度は「セレブママアピール」と「頑張るママアピール」の“押し売り”に、視聴者は辟易してしまいそうだ。

 ある日の動画は、「子どものお迎えまでの15分間に、朝ごはんの残り物をキッチンで大急ぎで立ち食いする」という“イミフ”な内容。これも「スキマ時間を1分たりとも無駄にしない、頑張り屋さん」の表れだろうか。

 動画の中でベッキーは、「いつも昼は出前なんだけど、今は節約強化月間だから、昼ごはんは朝ごはんの残り物。私いま、“節約マスター”になってると思う」とコメント。しかし昼に朝ごはんの残り物を食べるのは、一般家庭の主婦にとってはむしろよくあることだ。

育児番組で産後の悩みを“ぶっちゃけた”ことで2021年に「ペアレンティングアワード」を受賞(ベッキーインスタグラムより)
育児番組で産後の悩みを“ぶっちゃけた”ことで2021年に「ペアレンティングアワード」を受賞(ベッキーインスタグラムより)

 あるインタビューでは「芸能人の“キラキラ子育て”はみんなの心を窮屈にさせるだけ」と語り、優等生キャラから全てをさらけ出す「ぶっちゃけキャラ」に路線変更したベッキー。YouTubeでは散らかった部屋やすっぴんも晒して“頑張って”いるが……。

 冒頭の番組出演の反響では「子どもを産んでオーガニック志向になっているようだけどやっぱり嫌いなタイプ」「相手の妻の妊娠中の不倫ということが同じ母親として許せない」など、いまだに拒否反応を示す声も多かった。

 杏をはじめとして、仲里依紗や辻希美などYouTubeの登録者数が100万人をゆうに超えるママタレひしめく芸能界。今後ベッキーが「ぶっちゃけ系ママタレント」としてブレイクをするかどうかは微妙なところだ。