「あ然としました。懲戒解雇なんて犯罪行為をしなければ出ない処分なのに、正気の沙汰じゃないですよ。その前日、山岡理事長の自宅に呼ばれ“今井さんを短大の教授にする、だから中高から外れてくれ”という提案を受けていました。私が断ると“みんな今井を辞めさせろと言っている、ワシが教職員らを止めているのだから言うことを聞け”と話すのです。だから解雇されるとは考えもしませんでした」

 抗議文を出した教頭と副校長も役職を解任され、山岡理事長の強権による支配体制が強固なものとなっていく……と思われたが、7月8日に行われた教職員のみが出席する朝礼で、式辞での発言は“不徳の致すところ”と、山岡理事長は謝罪。すべての処分を撤回した。

「詳しいことはわかりませんが、外部から“懲戒解雇は適切ではない”という指摘を受けたのだと思います。教職員たちの前で“これからは今井校長と手を携えてやっていきます”と理事長は話したのですが……」

 事態は収拾へ向かうと思われたが、8月に入り、お盆休みが明けたころ。

「再びパワハラが始まるのです。理事長は“言いたくもない謝罪をさせられた”と、ふつふつと思い出したんでしょう。7月に話し合って決めた教職員の人事を白紙に戻し、理事長から“お前は次年度の人事はこれまでと違い、いっさい口出しができない立場だからな”と言われました」

 定年を迎えて1年ごとの契約更新だった今井校長は、2022年2月にある文書へのサインを要求される。

無理やりサインさせられたパワハラ誓約書

「校長再任についての誓約書と題したもので、2022年4月から赴任する羽田澄副校長に、校長業務を移管すると書かれていました。こんな誓約書に無理矢理サインをさせるなんて“パワハラ”ですよ」

 権力を駆使して今井校長から仕事を取り上げる嫌がらせを行い、学院への支配体制をより強固にしようとする。

「2022年4月からの人員配置も、赴任前に羽田副校長らが作成したのですが、生徒と関わる重要な役職に、まったく経験がない人が配置されていたのです」

 問題のある人員配置に、教職員ら約60人が理事長室に説明を求めて押しかけたが、理事長は出てこなかった。

「校長業務を移管した羽田副校長は、教員が仕事の相談をしに行っても“わからない”と言うだけ。教員たちは仕方なく私に聞こうとすると、理事長派の側近職員が“今井には聞くな”と言う。赴任したばかりですから、しょうがないと思っていましたが、羽田副校長は一向に仕事を覚えない。そこで羽田副校長に“前任者が作った引継ぎ資料は読みましたか?”と聞くと、“読んでもわからない”と話したのには驚きました」

 今年度に入り、新たな嫌がらせも始まったという。