ズボラでも貯めるには“家を整える”こと

「ある日、YouTubeで配信されていたミニマリストさんの生活を見て、すごくいいなと思ったんです。その暮らしを見習って家を整えていくと、自然に節約が加速していきました」

 ズボラさんでも大丈夫なお金の管理法に加え、彼女の節約を支えるもう1つの柱は“ゆるミニマリズム”だ。

部屋がスッキリしたら物欲も一緒に片づいた

 節約を始める前は、かわいい雑貨が大好きで、カラフルでポップな雑貨に囲まれて過ごしていた彼女だが、動画で見たミニマリストの部屋に憧れて“おもちゃ箱みたいな部屋”を一新。

「こたつをやめ、大量のカラーボックスを処分しました。持っていた家具を全取っ替えして部屋の雰囲気を変えたら、おのずと意識や好みが変わっていきました」

 物が減ると、何がどこにあるか把握できるので、ムダな“ダブり買い”などがなくなったのはもちろん、我慢しなくても物欲が抑えられるようになった。

「部屋をスッキリさせると、この状態を保ちたくなるので、無駄な物を買う気が起きなくなります(笑)」(「手取り16万の節約生活」より)
「部屋をスッキリさせると、この状態を保ちたくなるので、無駄な物を買う気が起きなくなります(笑)」(「手取り16万の節約生活」より)
【写真】ノーマネーデーは月に20日も!お金を使った日の方が少ない、もけけさんの「家計簿」

「部屋をキレイな状態で保ちたいから、欲しいなと思う雑貨があっても、まず“どこに置くか”が頭をよぎるように。自分が使っている姿や部屋に置くスペースを想像して買うかどうかを決めるので“今欲しい”という欲求に流されなくなったんです」

家の居心地がいいとお金を使わなくても幸せ

 部屋に置くものは、“気に入って、ずっと使いたい”と思ったものに厳選。日々の買い物で好きな物だけをしっかりと選んでいくうちに、自分の好みがより明確化。妥協の買い物を抑制する力になった。

「家で好きなものに囲まれて過ごしていると、物を買う頻度が減っても、ストレスを感じることはなく、むしろ日常で幸せを感じることが増えました。物欲に支配されている状態は、常に飢えているのと同じ。でも、買い物をすれば解消されるわけではない。

 逆に掃除がしづらかったり、探し物が見つからなかったり、そういう小さなイライラがストレスになって、浪費につながり、悪循環を生んでいたんだなと気づきました」

服も物も少ないほうがストレス&出費が減る

 現在、食器は普段使いのものを数枚、服はワンシーズン10枚。

「通勤時の服は、制服のように3パターンを着まわしています。少ないがゆえに、洋服選びに悩むことがなく、それが精神的ストレスの軽減にもなっています」

 必要以上のお出かけやカフェ通いもしなくなり、掃除や自炊など家事のモチベーションもアップ。住環境も食生活もどんどん好転した。

「頑張らず、快適に節約したいと思っている人は、細かい家計管理や出費の制限を作るより、お部屋を整えてみてほしい。それだけで、マインドが変わり、お金を貯められる生活にシフトできると思います!」

教えてくれたのは……

もけけさん○事務職で働く20代OL。岡山県出身。節約とミニマリストの生活を実行し、手取り16万円ながら3年間で500万円を貯める。著書に『HSPだけど500万円貯めた! 手取り16万円OLのゆる貯金ライフ』(KADOKAWA)

取材・文/河端直子