今年7月には真打に昇進する三遊亭とむ。名前も「錦笑亭満堂(きんしょうてい・まんどう)」に改名し、三遊亭一門としては初となる新しい亭号を背負うこととなる。

好楽:とむはお笑い芸人時代を含めるともう芸歴20年を超えている。そろそろ真打にするべきだなと思ったんだよ。新しい名前は、小朝がつけてくれた名前。錦笑亭満堂っていう名前にある「満堂」は中国語で「人々が満員になった状態」を意味して、「錦」は「金」と同じだから縁起がいい。「満席のお客さんを喜ばせて売れ続ける」っていう想いを込めました。

武道館公演では“宙に舞う”!?

とむ:三遊亭から新しい亭号に変わるので、今年1年は勝負の年ですね! まあ正直言って荷が重いですが……。

好楽:大きい名前を襲名させると、「この亭号を汚しちゃいけない」って気が張るでしょ。だから改めて奮起してもらおうという意味で大事なんですよ。名前なんてすぐ継いだ方がいいというのが、私の師匠の教えだったので、どんどん新陳代謝して活気が出ればいいんですよ。

とむ:本当に不思議な話で、名前を頂戴したら急に責任感が出始めて。この錦笑亭を大きな亭号にしていかないといけない、弟子をたくさん獲れるような人間になろうという気持ちがと出てきたんですよ。

好楽弟子が出来たら、名前は「こまんど(小満堂)」で、女の子だったら「あまんど(尼満堂)」だなって今から話してますよ(笑)

 来年1月には武道館で真打披露公演を行う、とむ改め錦笑亭満堂。

とむ:武道館のキャパは8000人らしいですが、今から色んな人に手売りしていくつもりです。真打の披露公演を武道館でやるのは初めてらしく、やれることはなんでもやりますよ。公演では宙に浮いて落語をやる『スーパー落語』も披露する予定です。鶴瓶師匠には『そんなことしてないで、早く世に羽ばたけ』って言われましたけど(笑)

好楽とむは顔も広くて、人付き合いも上手いからさ。芸人は色んな人に可愛がってもらってなんぼの世界。新しい亭号を大きくして欲しいね。


構成・文 佐藤隼秀  撮影・吉岡竜紀