プラスアルファで“18歳未満お断り”を付け加えた理由

「年中、代表待ちをする人がいたんです。禁止にしても勝手にOKと勘違いしたり、自分たちの解釈で判断したり。“代表待ちをして他の方を後で連れてくると割り込みになるので、いちばん後ろに並び直して下さい”と対応すると、“なんで並び直さなあかん!?”などと毎度のように暴言を吐かれてきました。1日に必ず1組はこのような人がいました。“なんでか! せっかく一緒に来たのに”とか“もう30分も待ってたわ!”とか。(ルールを無視した)自分が悪いわけじゃないですか」

  このような“ルール”はもちろん店頭に掲示、またSNSでの告知がなされていた。……にも関わらず、後を絶たなかった。

 なくならない代表待ち。そのため“代表待ちは最後尾に並び直し”も止め、“見つけたら即退場”とした。いちばん後ろに並び直せば食べられるのではなく、入店禁止というわけだ。

そのときプラスアルファで“18歳未満お断り”を付け加えました。なぜこれも加えたかというと、代表待ちで暴言を吐いてくる人の理由として、“なんで子どもなのに並ばないかんのか!”というのが、いちばん多かったからです。お父さんが1人で並んで、お母さんと子どもが車の中にいるとか。“子どもだからいいだろう”という解釈のようです。気持ちはわかります。でも、それを聞いていたらキリがないんです。見逃していたら後ろの方が不愉快に思うわけですから

 極端に言えば、自分の前に5人の行列ができていたとして、その5人すべてが代表待ちだったら……。後から割り込んできた人数×5人分、割り込みによって自分が後回しになってしまう。

代表待ちによる暴言は毎日吐かれました。子どもを理由にした代表待ちも似たようなもので、“ほぼ毎日”でした

 18歳未満の子どもの入店禁止はおそらくラーメン店として初。第一印象として好感を得られることは少ないだろう。事実、実施以降SNS上では否定的、そして攻撃的な意見も見られた。

「お店を経営する側としてはもちろん悩みました。ただ、もうトラブルや暴言のいちばんの原因なので。僕は経営者で、今は家族だけでやっていますが、スタッフを守る役割もあるわけです。僕は店内でラーメンを作っているので、暴言を受けてきたのは全部、僕の妹と母なんです。僕は守る対策を取る必要がある。もう相当言われてきたので……」

店主の三浦さんと店頭に掲げられた注意書き
店主の三浦さんと店頭に掲げられた注意書き

 なぜ、“18歳未満”というくくりにしたのか。幼児などを盾にして“子どもはいいでしょ”という人は少なくなさそうだが、中高生の子どもを使って、それを主張する親は……。

「暴言を吐かれたり、トラブルになると僕が出ていくわけです。どう見ても中学生か高校生の子どもなのに、“なんで子どもなのに並ばないかん!”って言われるんです。“子どもってこちらの中学生か高校生に見える方ですか?”って聞いたんです。すると“そうだ”と……。僕、見た目怖いんですけど、僕が出ていくと黙りこくったりするんです。母や妹には暴言を吐いて……。子どもに罪はなく、親が悪いんですけどね。行列にはみんなで並ぶんだよということを教えるのが親の役目のはずです」

 このようなケースは1例だけでなく、複数に及んだ。そのため“18禁”に至った。

店頭に“代表待ち 割り込み禁止”・“見つけ次第即退場”・“18歳未満入店お断り”と掲げているので、何を言われても突っぱねます。日本はマナーの良い国民性ですし、またサービス業はおもてなしの精神が根付いていると思います。高級なお店はもちろんですが、僕たちみたいな数百円という商売でも。ただ、一方で“俺たちは客だ”という思想が強すぎる傾向にあると思います