「騙し討ち」「ドブ席」「ハズレくじ」

7月2日から東京・新橋演舞場で上演される新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』(公式サイトより)
7月2日から東京・新橋演舞場で上演される新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』(公式サイトより)
【写真】市川猿之助に「喰われた」尾上松也

「通常、刀剣乱舞の舞台作品の場合、チケットはまず各種ファンクラブなどの先行販売、次にチケット販売サイト等の先行販売、そして最後に一般発売という形で売り出されていきます。席の良し悪しはランダムで、値段によってある程度のランクは選べるものの、細かい指定はできない。なんとしても公演を見たい人は、より早い先行からチケットを購入しようとします。

 ところが、歌舞伎の公演では“売れ残りやすい席を、せめてそのぶん早く確保できるよう先行販売する”という通例があります。また、一般販売では残っているところから席を指定できます。今回はあくまで歌舞伎作品なので、販売方法はこちらのルール。その結果、刀剣乱舞のファンがいつもどおり張り切って先行で購入したところ、後ろや端のほうの席が多く、逆に一般販売から参加した歌舞伎ファンにとっては“後ろや端ばかり埋まっていて、あまり取り合いにならずいい席が取れた”という事態に。怒りを覚えた刀剣乱舞ファンから“歌舞伎ファンはコネでいい席を取っている”という声が上がるなど、状況は混迷を極めています」(同・イベント制作会社関係者)

 ツイッターでは刀剣乱舞ファンから、

《騙し討ちされた気分。新規には難しい…高い勉強代でした》

《先行なのにドブ席。取り方は最低限わかるようにしてほしいし、今後歌舞伎を観に行こうと思えない》

《初見がみんな先行で申し込むの分かってて、ハズレしかないくじ引かされてたって事でしょ? ただの金ヅルとしか見てないし、歌舞伎にはもう刀剣乱舞に関わってほしくない》

 などの声が上がり、大炎上。これには歌舞伎ファンも反応したが……。

「当初は歌舞伎ファンも今回の事態をよく理解できておらず、一部の人が刀剣乱舞ファンに“いい席がまだ残ってるけど、なんで取っていないの?”と声をかけてしまい、怒りを買うことに。また、中には後ろや端の席にもそれぞれの魅力があることを説く人もいましたが、これも“席の格差”による不満を逆撫でして火に油をそそぐ結果になりました。歌舞伎の世界に関する刀剣乱舞ファンの“予習”が足りなかったことも原因でしょうが、運営側もチケットの販売方法をもっとわかりやすく事前に説明するべきだったかもしれません」(前出・イベント制作会社関係者)

 松也の望むように「語り継がれる」のは、作品のクオリティか、それとも――。