行政書士の事務所をまんが図書館として開放していた
行政書士の事務所をまんが図書館として開放していた
【写真】子どもたちに囲まれて薄ら笑いを浮かべる容疑者

 函館市の出身。茨城県の高校から法政大学経営学部に進み、卒業後は同県美浦市の競走馬育成牧場に就職。競馬雑誌の編集者に転じ、その後、成田市内でファストフードのチェーン店の店長をしたり、成田空港で警備の仕事に就くなど職を転々。38歳で行政書士の試験に合格した。その個人事務所の一角がまんが図書館だ。

「小学生を中心に、男女問わずたくさん子どもが集まり賑やかでした。勝手にまんがを読ませるだけでなく、一緒にバドミントンやバレーボール、サッカーなどをしていました。子どもたちから“ほっしー”とニックネームをつけられ楽しそうでしたよ」(近所の女性)

 同県では船橋市の人気キャラクター「ふなっしー」が有名。意識したのかわからないが、政治家らしからぬ呼ばれ方に満更でもなさそうだったという。

 議員活動などを綴るブログで、政治家になった理由について、

《「子どもや子育ての支援がしたい」という思いが一番の動機です》

 と明言し、子育て・教育政策に精力的に取り組んできた。まんが図書館は子どもの居場所づくりや、地域による見守り、活字離れを防ぐ狙いなどがあった。

あだ名は「ほっしぃ〜」、女児から取り合いになることも

 今年4月の市議選では、定数30議席中、4位の得票で3期目当選を果たしたばかり。地元有権者によると、選挙期間中、容疑者の乗る選挙カーが近くを通ると、子どもたちが「ほっしぃ〜!」と走って追いかけていたという。

 人気の背景には、子どもたちと親密に接してきた日々の積み重ねがあるようだ。

 例えば、鬼ごっこに誘われたとき、

《私が参加すると、面白がって集中攻撃されることも多い。誰にタッチしても私を追いかけてくるので、たまに本気でダッシュして逃げることもある。私は年齢の割に意外と足が速いので、本気でダッシュすると小学生には捕まらないが「大人げない」とか「もっと手加減してくれてもいーじゃん」などと、後で文句を言われることもある。しかし世の中そんなに甘くはないのだ。大人だからといつも手加減するだけではなく、何事も本気で取り組む姿を見せることも大事である》(ブログより)

 逃げる途中、疲れて足が上がらなくなり、階段でつまずき手を擦りむいたことも。

 ほかにも子ども食堂の運営に携わったり、子どものために芋掘り大会を催したり。

「女児から取り合いになったこともある」(近所の住民)というから、子どもたちの人気者だったといえるだろう。

 議会では、不登校など長期間学校に通えない生徒にできる限りの授業の配信を求め、

《共に学びたくてもそれができなく、悩み苦しんでいる子どもたちも現にいることをご理解いただき、一人ひとりの子どもたちの気持ちに寄り添ったご対応を今後もお願いいたします》(21年12月定例議会)

 と念押し。

 市内の集合住宅で妻とふたりで暮らす。近隣の住人によると、夫婦仲はよく、独立した成人の息子が2人いる。家族は当初、政治家になることに反対だった。