あわせて、7月9日放送のラジオ番組「山下達郎のサンデー・ソングブック」(TOKYO FM・JFN系列)にて、「山下達郎本人より大切なご報告がございます」との告知もなされた。

 松尾さんは7月6日、「日刊ゲンダイ」の連載コラムで、改めて一連の経緯を説明した。性加害問題について、ジャニーズ側が公式見解を出した翌朝、ラジオ番組の生放送で「膿を出すというところに、舵を切るべき」などと発言。それにより、スマイルカンパニーからは「不敬罪による一発退場」をさせられたとの認識を示した。

藤島ジュリー景子社長と、ジャニー喜多川さん
藤島ジュリー景子社長と、ジャニー喜多川さん
【写真】若者に大人気の山下達郎“顔はめパネル”と妻・竹内まりや

 そんな中で迎えた山下さんの発言は、日曜午後の聞きやすい時間帯とあって、多くの人に注目された。全文の「文字起こし」記事は、ネットニュース各社から配信されている。放送後1週間以内であれば、radiko(ラジコ)でも聞けるので、細かいニュアンスはそちらにお任せして、ここでは要点を絞ってお伝えしよう。

 番組が折り返しを迎えた開始30分ごろ、山下さんは「ツイッター、Facebook、インスタ(グラム)といったもの一切やっておりませんので、ネットで発信することができません」と前置きしつつ、この場でのコメントとなった旨を報告した。

「そういう方々には、私の音楽は不要でしょう」

 山下さんは「いまの世の中は、なまじ黙っていると『言ったもの勝ち』で、どんどんどんどん、ウソの情報が拡散」するとして、ジャニーズに「忖度した」との指摘を否定した。性加害を擁護するものではないとしつつ、喜多川氏の功績には「尊敬の念」を示しながら、内部事情はあずかり知らなかったとの立場を取り、以下のように締めくくった。

「『忖度』あるいは『長いものに巻かれている』と、そのように解釈されるのであれば、それでも構いません。きっと、そういう方々には、私の音楽は不要でしょう」

 放送から1日たっても、山下さんの発言に対して、SNS上では批判的な感想が止まらない。とくに、ラストの「私の音楽は不要」発言には、がっかりしたとの声が相次いでいる。

 山下さんは今回のコメントで、いわゆる「作品に罪はない論」を主張していた。作品・タレントと制作陣(ジャニーズ側)をわける考え方を提案する一方で、作品と制作者(山下さん)の同一視をうながすような発言をみずから行ったことで、その整合性を問うユーザーも絶えない。