2024年に放送予定だったフジテレビ系『教場』SPドラマの撮影延期に、各方面で内定が報じられた4月クールのテレビ朝日系の連ドラもストップがかかっているという。

「一本調子の演技から“何を演じてもキムタク”とも揶揄されることもあった木村さんですが、近年においても主役で起用される背景には、もちろん話題性もありますが、枠を買ってくれるスポンサー含みとの見方もあります。

 ドラマの現場にも立てない状況、それに出演すれば高視聴率をとれる“キムタク”の時代は終わりつつあります。せめてアカデミー賞にノミネートされるような、評価される演技力があれば話は違っていたのかもしれませんが」(同・広告代理店スタッフ)

ジャニーズを“背負わされた”木村

2022年1月下旬、映画公開舞台挨拶に参加した翌日も早朝からの撮影に臨んだ木村拓哉
2022年1月下旬、映画公開舞台挨拶に参加した翌日も早朝からの撮影に臨んだ木村拓哉
【写真】木村拓哉と工藤静香が入れたお揃いの「蛇タトゥー」脱帽するデザインセンス

 かつては『HERO』(フジテレビ系)シリーズをはじめ視聴率20%、30%を平然と叩き出していた木村だが、“ダークヒーロー”に方向転換した、先の“月9”ドラマ『風間公親-教場0-』は平均視聴率9.8%と二桁を切ってしまった。

「木村は決して演技が下手なわけではない」とは前出の元ドラマプロデューサー。

「蜷川さん演出の舞台『盲導犬』や、ラグビードラマ(『松葉杖のラガーマン』TBS 系)では一所懸命でひたむきな演技に“木村拓哉”の可能性を感じさせましたが、本当の演技を学ぶ前に“キムタク”になってしまったように思える」

 1993年の『あすなろ白書』(フジテレビ系)で大ブレイクして以後、アイドル俳優としてテレビ局が用意する“ヒーロー像”になりきり、また視聴者が求める“キムタク”を演じてきた木村。二宮や岡田とは、背負わされたものの大きさが違いすぎたのかもしれない。

「ただ古い話ですが、木村と同じように“何の役をやっても”と言われた高倉健さんも、アラフィフになってからフリーに転向。それまでの任侠映画イメージを払拭するかのように新境地を開拓して、世間から広く評価されるアカデミー賞常連の俳優になっています。

 木村も50歳だからといって遅くはない。ドラマに出られないのならば映画や舞台に出る選択肢もある。それこそジャニーズを辞めて、身体一つで出直しを図ったとしても決して遅くはないと思いますね」(同・元ドラマプロデューサー)

 世界各国の俳優が出演する海外ドラマ『THE SWARM/ザ・スウォーム』(『Hulu』で視聴可能)が、ドイツやフランスで各賞を受賞しているという。主演ではないが、同作に“日本代表”として出演している木村。“何をやってもキムタク”とは見做されない海外こそ、彼が進むべき道なのかもしれない。