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ー 高タンパク質ダイエット“MEC法”は逆にリバウンドしやすい?

 気軽に取り組みやすいダイエットのひとつが、食事制限。

 最近は、“炭水化物はダイエットの天敵”との見方が定着し、炭水化物の摂取を減らす代わりに、タンパク質を積極的に食事に取り入れるという高タンパク質ダイエットがブームだ。

 お笑いコンビ『おかずクラブ』のゆいPは、コロナ禍の2020年、朝食と昼食は野菜スープ、夕食はタンパク質中心の食生活を続けた結果、36キロもの減量に成功した。

 また、『ガンバレルーヤ』のよしことまひるは、昨年、『世界の果てまでイッテQ!』の企画で、運動と並行して高タンパク&低脂質な食生活を約1か月半続けた。

 2人合わせて合計22.1キロも減量、SNSには「2人の頑張り、尊敬する」「ダイエット熱に火がついた」とのコメントが。

 だがしかし、その3人は、その後、示し合わせたようにリバウンドしてしまった。高タンパク質な食事を意識してリバウンドしたのは、その3人だけではない。

高タンパク質ダイエット“MEC法”は逆にリバウンドしやすい?

「顔はカトパン、身体はパンパン」のキャッチフレーズで知られる『駆け抜けて軽トラ』の餅田コシヒカリ(29)だ。

 2018年に彼女が取り組んだのは、タンパク質が豊富な肉、卵、チーズを集中的に食べる“MEC法”で、4か月で20キロもの減量に成功。

 ダイエット日記が著書デビュー作として出版され、テレビ出演も増えていった。

 だが、幸福は長く続かず、数か月であっという間にリバウンド。その後も、ダイエットとリバウンドを繰り返し、体重はいつしかダイエット前よりも増加し100キロオーバーに……。

 自身のYouTubeで、「ダイエット中は食事制限も運動も体重計に乗るのもすべてがつらかった」と涙ながらに語った半年後、ついに「(病気が見つからず、健康なうちは)一生ダイエットはしない!」と、宣言するに至ったのだ。

 しかし、餅田は食べる量を極端に減らしたわけではなく、ただ食べるものを変えただけ。空腹感を覚えにくいダイエット方法で、なぜリバウンドしてしまったのか? 管理栄養士の岡田明子さんに聞いた。

「まず、タンパク質を多めに摂取したからといって、健康的にやせることはありません。

 炭水化物より消化に時間がかかり、お腹がすきにくいため、結果的に1日の食事量を減らすことができるというわけですが……。

 そもそも、炭水化物はエネルギー源として不可欠な栄養素なので、健康のためにある程度摂取する必要があります。

 炭水化物の摂取量を減らすと、身体はより糖質を吸収しようとするんです。

 そのため、久しぶりに炭水化物を摂取すると、血糖値が急激に上がって暴飲暴食を招く可能性が高くなる。

 炭水化物を減らすダイエット方法は多種多様にありますが、どれもおすすめできません」

 つまり、炭水化物の代わりにタンパク質を積極的にとるダイエット法は、一般的にリバウンドをしやすいということ。

 健康的に、リバウンドしにくい身体をつくるためにも、避けたいダイエット法だ。

岡田明子●管理栄養士。自身の経験を生かして食べてきれいにやせるダイエットメソッドを確立。著書に『朝だから効く!ダイエットジュース』(池田書店)など

取材・文/後藤友美(ファイバーネット)