加害者にならないためには

 そういう怒りを持った人が店や企業を標的にするのは、相手が言い返してこない立場だとわかっているから。そんな卑怯なカスハラ加害者にならないためにできる予防策は?

「まずはカスハラというハラスメントがあることを知っておくこと。言葉の浸透が足りず、まだ“やってはいけないこと”という意識を持っている人が少ないんです。それとサービス提供者と客は対等な関係であることを理解すること。サービス提供者には何をしてもいいと思っているのは、相手の人権を考えてないのと同じです」

知らぬうちに“カスハラ”加害者になっている危険性も ※写真はイメージです
知らぬうちに“カスハラ”加害者になっている危険性も ※写真はイメージです
【写真】薬局からファストフード店、タクシーまで…「カスハラ」被害を訴える投稿の数々

 安藤さんが広める、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング法「アンガーマネジメント」も効果的。

「カッとなって何か言いたくなっても6秒待ちましょう。それで怒りが消えるわけではないですが、うっかりした暴言は防ぐことができます」

 また、“○○すべき”という考えにこだわっていると現実でかなえられないときに怒りを生むので、その考えを緩めることも重要だという。

「例えば“時間は守るべき”という考えがあったとして、10時集合の10分前に来なければいけないと思うのか、せめてぴったりに来ればいいと思うのかでは厳しさが違いますよね。

 物事に関して常に“せめて”という言葉で考えると、自分の許容度が広がります。“せめて”どうだったら許せるか考える癖をつけるといいでしょう


 取材・文/小新井知子