子どもから見た『廣川家』のありようとは

裏庭にあるお手製の五右衛門風呂は熾火を残しておけば夜中から朝まで温かい。※撮影/いとうしゅんすけ
裏庭にあるお手製の五右衛門風呂は熾火を残しておけば夜中から朝まで温かい。※撮影/いとうしゅんすけ
【写真】自ら動物を狩り、捌いて食料にするスーさん。お手製の五右衛門風呂、バケツに便座を置いたトイレ他

 2023年12月、廣川家の暮らしをまとめた書籍『「どうぶつ大家族」廣川家の好日〜自給自足に生きていく〜』(主婦と生活社)が発売された。あとがきで、スーさんは次のように書いている。

《我武者羅親父に付き合わされた家族よごめん。自分は忘れっぽい質で、家族が語る“スーさん以前はこんなに尖ってたよ武勇伝”を聞かされると、自分ごとながらそりゃ酷いね~と思ったり。もっと上手いやり方があったのではと自省するがそうするしかなかったんだなとも思う》

 ほほう! ならば、ということで、この記事を書くにあたり、「我武者羅親父」に最も厳しく躾けられた長男の和楽に「親が選んだ暮らし」について聞いてみた。

 らくさん、こんにちは。スーさんとあゆみんの子どもとして生まれて、どんなふうに思っている?

「なんか、今は、違うけど、昔はすっごいイヤだった。小学校のころは、この暮らしから早く抜け出したかった。今は大好き!」

トイレはバケツに籾殻を入れて便座を置いただけのもの。使った後、籾殻をコップ一杯かけるだけでにおいもないという※撮影/いとうしゅんすけ
トイレはバケツに籾殻を入れて便座を置いただけのもの。使った後、籾殻をコップ一杯かけるだけでにおいもないという※撮影/いとうしゅんすけ

 嫌だった理由は、廣川家が「普通とは違う」から。和楽がそれに気づいたのは、小学校に入学したとき。

「学校という制度を知って、自分たちの暮らしが普通とは違うんかなとちょっとわかった」のだそう。小さいころからテレビ局が取材に来ていたから「なんとなく違うのはわかっとったっちゃ、わかっとったけど」とも。

 初めての集団生活。みんなは幼稚園や保育所からの友達と仲良くしているが、和楽は知らない人だらけ。それでも持ち前のたくましさで、3~4日後にはクラスに打ち解けることができた。

「でもやっぱり違うってことがようけあった。みんな給食を食べるんやなあとか、みんなゲーム持っとるんやなあとか。いいなあ、でもうちは買うてくれんやろなあとか」

 小学校では1度、いじめられたこともある。

「上級生から“なんだオマエ!”的な感じでいじめを受けた。でも同級生が味方になってくれた。同級生とも暮らしのことでケンカしたことはある。でもいじめは受けとらんよ」

 テレビに出たことが原因でいじめられたことは?

「それはない。みんなから“テレビ見たよ~”とか“YouTube見たよ~”とか言われるのはうれしい。それほど話さん人とかでも“見たよ~”と言って仲良くなったりしたから」

 中学に入るとき、また上級生にいじめられるかな、とは思った?

「ううん、不安はなかった。もう違うことに慣れとったから」