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ー “ハイブリッド”や“男女逆転”ものも
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ー 『大奥』に必要なのは“攻め”

 1月期のドラマの中で、注目されていた『大奥』フジテレビ系)が視聴率低迷にあえいでいる。

「『大奥』史上、最も切なく美しいラブストーリーをキャッチフレーズに、東映京都撮影所でオールロケを行うなど放送前から期待が高かったのは事実。しかしふたを開けてみると、“(主演の)小芝風花のムダ遣い”といった声も聞かれます。そもそも『大奥』の魅力はドロドロの愛憎劇。今作はそういった点でも薄味すぎます」

“ハイブリッド”や“男女逆転”ものも

 こう話してくれたのは、ドラマウォッチャーで映像プロデューサーの島右近さん

 時代劇俳優と連ドラ女優をかけ合わせたフジテレビ“ハイブリッド大奥”は2003年から3年間にわたって毎年連ドラ化して高視聴率をキープ。2019年の『大奥 最終章』まで将軍の正室や側室たちの愛憎劇を描き続けてきた。中でも大きな爪痕を残したのが、スペシャルドラマ『大奥 第一部~最凶の女~』(2016年)だという。

沢尻エリカ演じるお美代は母の復讐のために大奥入り。11代将軍・家斉(成宮寛貴)の側室に収まるも、男嫌いの奥女中・お志摩(渡辺麻友)と訳ありの関係に進展。2人のキスや入浴など艶っぽい百合シーンも見どころとなりました。ところがお志摩が間者であることを知ると、自らの手で亡き者とする。亡骸にすがりつき号泣する沢尻の演技には多くの視聴者が涙しました」(島さん、以下同)

 そんなフジテレビに勝負を挑んだのがTBS“男女逆転”『大奥』。特に2012年に公開された映画『大奥~永遠~』では、5代将軍・綱吉役を菅野美穂が熱演して話題をさらった。

「世継ぎを病で失った綱吉は、子を授からない焦りから大奥の男たちを片っ端から夜伽に誘う。熱に浮かされたように“なんで授からないの”とつぶやく狂気をはらんだシーンには、心奪われました