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ー 横綱経験者の半分以上がトラブル
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ー 問われるのは「人間としての資質」

「申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 2月23日、部屋の前に集まった報道陣に神妙な面持ちで謝罪した元横綱白鵬の宮城野親方(39)。部屋所属の幕内力士・北青鵬(22)が、同部屋の力士に暴力行為を行い、その監督責任などを日本相撲協会から問われていた。北青鵬は引退届を提出し受理され、宮城野親方には年寄への2階級降格と、3か月間の報酬20%減俸という処分が下された。

横綱経験者の半分以上がトラブル

 名力士と謳われた宮城野親方の威光が失墜した瞬間だった。振り返ってみれば、引退して親方になった名力士たちの不祥事が散見される。'22年に弟子2人の暴力行為が発覚した、元横綱・旭富士の伊勢ヶ濱親方(63)。'21年には緊急事態宣言下にキャバクラに通っていたことが報じられた朝乃山(30)の師匠、元大関・朝潮の錦島親方も同じく飲み歩いていたとして、協会を退職……。

 ほかにも元横綱貴乃花(51)など協会内のいざこざで協会を去ったケースもある。なぜ、指導者の立場になると、そろいもそろって“ポンコツ”になってしまうのか? 相撲ライターの西尾克洋さんは、

横綱経験者の半分以上がトラブルを起こしているというデータもあるんです」

 と苦笑いしながら、こう続ける。

「現役中に地位が上がると、誰も諫める人がいなくなります。気がついたら周囲は“イエスマン”で固まってしまう。そして横綱や大関など相応の知名度と実績のある力士ほど、部屋持ちの親方になることが多いんです。誰からも注意されなければ、自分の考えだけで動きますから“暴走”しやすいですよね」