サポーターが子どもに接することはなく、あくまでも親へのサポートのみ。そのため子どもは親がプログラムを実践していることは知らず、間接的に再登校へ導くメソッドだ。不登校の原因を追究する必要もなく、親が家庭の状況を整えることに焦点を当てている。

「これまで不登校児を持つ親御さんは、見守りましょう、少し様子を見ましょう、好きにさせてあげて、そのうち元気になりますよといったアドバイスを受けてきて、具体的に何をすればいいかわからず、不登校を解決できず困っていました。こういった見守りは古い考え方であり、現在は積極的に介入しないと不登校は解決できないことがわかっています」

自ら再登校する5つの条件

 スダチのプログラムは、発達心理学と脳科学の理論に基づいて作られているのが特徴だ。子どもに愛情をうまく伝え、ダメなことはダメだときちんと教えてしつけをやり直すことを基本としている。

子ども不登校が長引く大きな要因は、ゲーム、ネット、スマホ依存です。デジタル機器を長時間利用しているお子さんは、利用していないお子さんより学習効率が落ちることもわかっています。やるべきことをやっていないのに、やりたいことだけやるというルールは社会には存在しません。それを教えて、ゲームやネット依存を直すことが不登校解消の大きなポイントになります」(小川さん)

 小川さんは子どもが自ら再登校する5つの条件を次のように挙げる。

1.子どもの自己肯定感を高める

褒めたりスキンシップをとることで子どもの自己肯定感を高めていく

2.正しい生活習慣に戻す

朝はきちんと起き、正しい生活リズムで過ごすことは脳科学的な側面から見てもメリットばかり。朝起きないとそもそも学校に間に合わない

3.正しい親子関係を築く

厳しいだけだと嫌な親になってしまう。優しいだけだと親子関係が逆転してしまう可能性があるので、厳しさと優しさのバランスが重要

4.考える時間を与える

現代の家庭では、子どもの意思とは関係なく、楽なほうへと気持ちが流れ、考える時間がなくなってしまうことが多い。そのため、意図的に子どもが自分と向き合い、これからについてしっかり考える時間をつくってあげる必要がある

5.マインドセットをする

マインドセットとは子どものネガティブな考えをポジティブに変換していくもの。マインドセットができるようになると、嫌なことにも立ち向かえるようになる