Z世代に浸透した理由

 そもそも、なぜZ世代に「タイパ」という文化が浸透したのだろうか。

「総務省の『情報通信白書』によると、スマートフォンの世帯保有率は2015年時点で72%、2020年には86.8%に達しています。このような環境のなかで育ったZ世代は、インターネットの利用を当たり前と捉え、大量の情報から短時間で必要かつ有益なものを見つけ出すことに慣れ親しんでいることから、タイムパフォーマンスの高い行動が自然と身についています。

 この感覚は、働き出してからインターネットを利用し始めた中年層にはなかなか理解しづらいもの。全力で仕事に取り組むべきと考える40~50代と、仕事よりプライベートを重視するZ世代の間には価値観のズレがあり、意見がかみ合わないのは当然のことかもしれません」(前出・広告代理店関係者)

 マツコが「タイパ」を重視する若者に物申したのは、今回が初めてではない。2022年12月6日に放送された『マツコの知らない世界』(TBS系)でも、同様の主張をしていた。

「『映画音楽の世界』をテーマにした回で、出演した映画音楽の愛好家が『今どきの若者はタイパって言って、2倍速とかで映画を観るんですよ』と語ったところ、マツコさんは『もっと言うと、音楽とかも飛ばして聴くからね。ちょっと、意味がわからないんだけど。2倍速なんかで見たら映画音楽のよさなんて全くわからない』と嘆いていました。若者文化に詳しいマツコさんですが、作品本来の魅力を損なう倍速視聴は理解できないようです」(テレビ局関係者)

 いつの時代も、若者と大人の考え方は相容れないもの。理解できないと憤るその時間こそ、「タイパ」が悪いのかもしれない。