国民的長寿アニメのギャラ事情は……

 今回の後任選考レースを勝ち抜いた暁に得られる高額ギャラも、耳目を集めるところである。

 アニメ声優のギャラは、日本俳優連合の定めたランク制によって決められている。デビュー後3年間の新人養成期間は、「ジュニアランク」とされ作品1本につき15,000円。

 続いて「ランカー」に上がると、最低ランクで15,000円。そこから1,000円単位で金額が上昇し、最高ランクは45,000円。ベテランになると「ノーランク」となり、仕事1本ごとにギャラの交渉をすることになる。

 ちびまる子ちゃんのような国民的長寿アニメのギャラ事情も同様なのか。

「国民的長寿アニメの主役級の声優たちのギャラは、業界の相場で1本20万円以上だと言われています。年収にすれば1,000万円ほどに。そういった役を務めれば、ナレーションなどの依頼も増えるので、多くの副収入が見込めます。

 人気アニメの声優を務めた方では、年収2,000~3,000万円超えもざら。まる子役に抜擢されることで得られる収入も、同程度のものが予想されます」(前出、芸能関係者)

 高額ギャラ確定の後任選考レースを制するのはいったい誰なのか。予想も加熱するところではあるが、SNS上では一部でこんな声もあがっている。

《TARAKOさん以外にちびまる子をやらせるなら、正直な話終わったほうがいいと思う》

 アニメ終了を提案する意見も僅かながらに存在する。長年のアニメファンにとっては、声優交代により違和感をおぼえつつ視聴を続けるよりも、潔く終了して欲しいという思いもあるようだ。また、アニメの設定自体に対して、「時代遅れ」を指摘する声も。

 TARAKOさんという屋台骨を失い、ちびまる子ちゃんが岐路に立たされている状況であることは間違いない。制作サイドは、この事態をどのようにして「まるく」おさめるのだろうか。

取材・文/塚田牧夫