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ー 産休クッキー受け取って複雑な気持ちになる人もいる
メッセージクッキー(Amazonより)

 かわいらしい赤ちゃんのイラストと“産休をいただきます。ご迷惑おかけしますがよろしくお願いいたします”と書かれた文面がプリントされたクッキー、いわゆる“産休クッキー”がネット上を中心に物議を醸している。

産休クッキー受け取って複雑な気持ちになる人もいる

「4月中旬、産休を控えていると思われる一般ユーザーが、職場に配るために用意した産休クッキーの画像を自身のX(旧Twitter)上に投稿。すると、“良いですね”や“こんなの売っているんだ”など肯定的な意見の一方、一部のユーザーが批判的な声を上げたことがきっかけとなり、炎上してしまったんです」(スポーツ紙記者。以下同)

 否定的な意見として、

《妊活中の人への配慮が足りない》

《仕事に穴を空けただけ》

 など、産休自体にネガティブな感情を抱いているように思える投稿が散見されている。

「産休は労働基準法でも定められているルールですが、産休を取る方の同僚からすれば“家庭の都合で勝手に休み、負担を押し付けられた”と受けとる人もいるかもしれません。また近年は、不妊治療を受けるなど、妊娠に苦労している方も増えています。そういった方からすれば、産休クッキーを受け取っても複雑な気持ちになる方もいるかもしれません」

 賛否両論を呼んだ産休クッキーは、インターネットテレビ『報道リアリティーショー ABEMA Prime』でも取り上げられた。

「番組に出演したひろゆき氏は“産まない側でいてほしい。と同質性を求めるのが良くない”など、炎上の背景には嫉妬があると指摘。テレビ朝日の平石直之アナは、結婚や出産を経験しない人が増えたことで、子育ての幸せアピールが言いづらい社会になっていると持論を述べていました」

 お祝い用のメッセージクッキーを製造販売している製菓会社は、この事態をどのように受け止めているのか。話を聞いてみた。

「可食インクでプリントを施したクッキーは'15年ごろからお菓子メーカー各社が作るようになり、世間に浸透しました。近年は技術が発達し、好きな文字をオーダーしたり、入学祝いや退職の挨拶など様々なシーンに使われるようなりました」

 ネット上では、いろいろな意見が飛び交っているが、現状、売れ行き等に影響は出ていないと言う。

「メッセージクッキーは人気商品のひとつ。あくまで贈る側の気持ちを伝えるものですので、受け取られる側も悪く捉えてほしくないというのが率直な気持ちです」(製菓会社担当者)

 きっかけとなった産休クッキーの製造元も、ホームページ上にこのような見解を公開している。

《弊社の産休クッキーは、産休を控えたお客様の要望に応じて始めたものです。(中略)弊社の商品でお客様の感謝の気持ちを伝えるお手伝いができれば幸いです》

 真心を込めたプレゼントが、思わぬ形で議論を生んでしまうのは、あまりもやるせない。