'18年に受けた手術の直後、麻酔から覚めたばかりの状態。「怖くて胸を見ることができなかった」
'18年に受けた手術の直後、麻酔から覚めたばかりの状態。「怖くて胸を見ることができなかった」
【写真】手術の前にセミヌード撮影を決意した藤原さん

 最初の非浸潤がんと違い、2度目のがんは浸潤がんで、術後も放射線治療と服薬が必要となった。放射線治療は25日間で、毎日の通院を強いられた。さらにホルモン療法をスタート。服用は5年間続き、「それも今年の7月で終わるんです!」とホッと胸をなでおろす。

乳がんは唯一自分自身で見つけることのできるがん

 がんを経験し、食生活も大きく変わった。びわ茶にハーブティー、オリーブオイルなど、がんによいとされる食材を積極的に取り入れ、同時に栄養バランスに配慮した食事で健康管理を行っている。

先生が言うには、私のがんは7年ほど前にでき始めていたものだそうです。振り返れば、当時はストレスを抱えていたり、甘い物をとりすぎていたりと、心当たりがあって。身体のために、食事や運動、ストレスをためないよう気をつけたりと、基本的なことを大切にするようになりました

 乳がんを公表し、周囲の声が闘病の大きな励みになった。同時にがん患者の多さに改めて気づかされたという。

入院したとき、当時のマネージャーがお見舞いに来てくれて、そのとき彼女のお母様が乳がんで亡くなっていたことを初めて知りました。ほかにも自分のお姉さんが乳がんだったとか、家族がそうなんだとか、打ち明けてくれる方がたくさんいて……

 乳がんにかかる割合は日本女性のがんの中でもトップ。さらに罹患率は年々増加し、決して人ごとではない。

自分を含め、大切な人がなる可能性は大きい。けれど乳がんは唯一自分自身で見つけることのできるがんでもあって。定期検診だけではなく、セルフチェックもしてもらえたら。そうすることで、より早く見つけることができるし、早く見つかればそのぶん選択肢も多くなる。自分の経験を通して、みなさんにそう伝えられたらと思っています

取材・文/小野寺悦子 

ふじわら・ひろみ 1976年生まれ、奈良県出身。1999年宝くじ「幸運の女神」を務め、宝くじ関連のテレビ、CMやラジオなどに多数出演。骨盤をバランスよく整えるストレッチ、和の所作の魅力を生かした“お能でヨガ”を関西から発信している。