目次
Page 1
ー 食べすぎは体調不良、肥満や病気を招く
Page 2
ー 朝食を飲み物に置き換えるだけ
Page 3
ー 食事は腸内環境にいいものを腹八分目
Page 4
ー 石原先生のある1日のタイムスケジュール

 石原新菜先生が提唱し、自らも実践する「16時間断食」。1日のうち16時間食べない時間をつくり、あえて飢餓状態をつくり出すことで、さまざまな健康効果や若返り効果が期待できるという。なぜ、断食が必要なのか。

食べすぎは体調不良、肥満や病気を招く

「これまで正しい食習慣として1日3食が推奨されてきましたが、最近ではリモートワークの推進などで日中の活動量が低下し、摂取エネルギーが余りやすくなっています。人にもよりますが、十分な運動ができていない人にとって1日3食は食べすぎなのです。

 食べすぎが続くと栄養過剰で、細胞を傷つける活性酸素が血液中に充満し、ドロドロになります。すると酸素がうまく運べなくなり、だるさや疲労感、精神不安定など慢性的な体調不良や老化を引き起こします」

 また食べすぎで肥満になると脂肪細胞から悪玉ホルモンが分泌され、糖尿病や心筋梗塞、脳出血、脳梗塞、がんなどの病気のリスクを高めるため注意が必要だ。

「そもそも人間の身体には、1日3食という食習慣は適していません。1日3食食べると胃腸に次々と食べ物が入ってきて、消化器官の疲れを招いてしまうんです。すると血流低下や免疫力低下などを引き起こすことに」

 1日のうちで食べない時間をしっかりつくり、胃腸をきちんと休ませてリセットすることが大切なのだという。

「胃腸が休めるようになるのは、食べ物が完全に消化されて空っぽになってから。そのためには16時間程度必要です。さらに古い細胞が新しく生まれ変わるオートファジーが働き出すのも、断食から16時間後から。断食の効果を得るには16時間が必須なのです」

 オートファジーとは、飢餓状態になることで細胞が古くなった悪玉タンパク質を分解してエネルギー源にする仕組みのこと。オートファジーの働きはダイエットや便秘解消、身体の若返りにも有効。さらにはがんや生活習慣病の予防も期待できることがわかっている。

「また断食から10時間たつころには脂肪の燃焼や分解が始まり、ダイエット効果も期待できます。そもそも人類は、太古の狩猟採集時代、何日も食べられずに飢餓状態に陥ることがよくありました。

 そのため人の身体は摂取エネルギーを効率よくため込み、飢餓状態では蓄えたエネルギーを消費できるようにプログラムされています。これは現代の私たちの身体も同じ。断食であえて飢餓状態をつくり出し、空腹を感じることで自然とエネルギーが消費され、肥満予防につながります」