THE TOBACCO SHINSAIBASHI
大阪を代表する庶民の繁華街といえる心斎橋。その中のビルの2階にある『THE TOBACCO SHINSAIBASHI』。鮮やかなオレンジのタイル張りの壁とベンチが印象的だ。デザインコンセプトはドイツの地下鉄。大阪市は万博を控えた2025年1月に全市域での路上喫煙禁止を予定しており、その中でもこのような喫煙所は「吸う人と吸わない人の共存」「路上喫煙、ポイ捨て防止」に大きな役割を果たしていくに違いない。

【店舗情報】
大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-2-22 小大丸ビル2階
営業時間 9:00~20:30 定休日 土日
カルチャーを感じられるような場作りをしたい
3件見ていただいたところで、運営会社株式会社コソドに、『THE TOBACCO』というスタイリッシュな喫煙所シリーズを展開する理由を聞いてみた。
最大の理由は、「継続的に利用してもらえると考えたからです」とのこと。
同社は、喫煙所をはじめる前に、さまざまな喫煙所や喫煙者の実情を調査したそうだが、
「その際に、喫煙所が汚かったり極めて簡易的につくられているものは、マナーの良い喫煙者の方でも『追いやられている』と感じたり、『本当は汚い喫煙所に行きたいと思わない』と感じる方が多いことがわかりました」
原則人が集まる屋内が禁煙となった2020年の改正健康増進法施行以降、喫煙者の数に対して喫煙できる場所のバランスが大きく崩れており、そもそも足りない状況となっている。そんな中、
「実情調査を鑑みると、数ももちろんのこと『わざわざ足を運びたくなる工夫・綺麗にマナーよく使ってもらうための工夫』が大切だと考えました。また、マナーよくわざわざ喫煙所に行く方に、少しでも心地よく過ごしてもらいたいという想いもありました。そこで、公衆喫煙所を『THE TOBACCO』というブランドにし、排煙機能や清掃の充実といった機能面だけでなく、デザインにもこだわろうと思った次第です」
そもそもたばこは嗜好品として音楽や文学など様々な文化に寄り添って嗜まれてきたもの。『THE TOBACCO』のデザインへのこだわりもそういった側面が反映されているという。
「何かしらカルチャーを感じられるような場作りが利用促進につながり、ファン作りにもつながると思います。実際に、喫煙者も非喫煙者も沢山の方々にデザイン面でも好評をいただき、応援してくださっています。喫煙所が街の汚点として見られるのではなく、機能面+デザイン面で街に寄り添うことで共存できることもあるのではないかと想定しました」