年齢をごまかしていたのがバレた過去

「まず、年齢をごまかしていたのが、放送中にバレてしまったこと。同級生が『ドキュメント女ののど自慢』のコーナーに出てきて“沢田さんと同級生です”って。その人の年齢が公表していた私の年より4つ上だったのよ(笑い)」

 “また明日”というところを“おやすみなさい”と言ったり、年が明けているのに“それではよいお年を”などという言い間違いは枚挙にいとまがないという。その中でも決して忘れることができない、いや、できるならば忘れてしまいたい出来事が。

「あるとき、ゲストの女優さんが“ワイドショーはやっぱりイヤ”って放送直前にドタキャンしてしまったんです」

 それだけでもパニックものだが、そのせいで、もっと大変なことが起きてしまう。

「そのコーナーを埋めるために芸能ネタをできるかぎり延ばしていたんです。それで、大物俳優さんがプロデュースをした香水を取り上げたとき、私が“ファンの方はみんなその香水をつけてコンサートにいらしたんでしょうね”と言って、しめるはずでした。ところが、誰かが“そのニオイで具合が悪くなった人はいなかったんでしょうか?”なんて余計なことを言ってしまったので、私は“過ぎたるは及ばざるがごとしと言いますね〟とシメちゃったんです。“うまい! 私って天才”と心の中でガッツポーズをとったんですが……」

 翌日のスポーツ紙には《沢田、失言》の見出しが大きく出て、関係各方面から叱られてしまうことに。

 そんな思い出がぎっしりと詰まった『ルック~』に対し、

「少ない予算で作ってましたが、50人ものスタッフがいて、毎日レポーターが日本各地に赴いて生の声をとってました。スタッフとレポーターがぶつかり合いながら日々、死闘を繰り広げていたあの番組は、情報番組の原点だったと思います。おかげで、私はその後も司会の仕事も増えましたし、家を建てることもできました」

 と、感謝の気持ちは隠さない。沢田は司会を5年半務めて、岸部シローにバトンタッチしたのだが、降板すると同時にスキャンダルが噴出。皮肉なことにワイドショーの標的になってしまった。

「いろんなことがありました。でも、いまは笑えます。トークショーのネタになってますから(笑い)」

 爽やかな笑顔はあのころと変わらない。