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ー 値上げラッシュはしばらく収まらない
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ー お金と暮らしの専門家が教えるプロ技6

 新年度に突入し、4月から多くの食品が値上げされた。民間の調査会社「帝国データバンク」が主な食品メーカーを対象にした調査によると、4月1日を皮切りに値上げされた食品は、4000品目を超えるという。

値上げラッシュはしばらく収まらない

「値上げされた主な品目は、みそやドレッシングなどの『調味料』、缶ビールやコーヒーなどの『酒類・飲料』、ハムやソーセージ、冷凍食品などの『加工品』です。人手不足による人件費の高騰や、原材料費や輸送費などのコストが高騰しているのが、主な原因と考えられます」

 と話すのは、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)で節約アドバイザーの丸山晴美さん。また、同じくFPの安部智香さんは、この値上げラッシュはしばらく収まらないのではと予想。

「円安で輸入品が高騰しているのも、一つの原因です。このように、値上げラッシュは原因が一つではなく、いろいろな要因が絡み合っているため解消がむずかしく、今後も食品をはじめ、生活に直結するものの値上げは続くと考えられます」

 押し寄せる価格高騰の波に打ち勝つには、この値上げを「一時的なもの」としてではなく、「新たな生活コスト」として捉え、家計の消費を見直していく必要があると、FPの伊藤江里子さん。

「昨年末から今年の春にかけて食品の値上げは続いているので、この期間にどれくらい食費が増えたのか把握し、支出を見直すことが大事。そのうえで、つい買いすぎてしまうものはセーブしたり、こだわりのない調味料はプライベートブランドに切り替えるなどの工夫が必須です」

 とはいえ、すでにできる節約はしているつもり……。お金のプロたちは、どのようにコストを抑えているのか。

「お米の高騰が続く一方で、主食のうち意外と値上げ率が低いのが、小麦やパスタなどの乾麺。わが家では、業務スーパーの1kg約200円の強力粉を使い、パンやピザを手作りしてお米の消費スピードを落としてます」(丸山さん)

 安部さんも、うどんやそうめんなどをストック中。

「週に2日程度、主食を麺類に。冷凍うどんも値上がりしているので、安い時に生麺のうどんをまとめ買いして冷凍庫にストック。気温が上がってくるこれからは、ツルッと食べられる麺類がおいしい時季。節約肉である鶏むね肉などを活用した、麺レシピをリサーチしておくことも」

 また、節約を意識しすぎてストレスをため、衝動買いをしては本末転倒。適度なご褒美も大切だ。

「月に2回までは外食OKなどルールを決めてガス抜きをし、ムリなく続けるのが結果的に家計の出費を抑えることにつながります」(伊藤さん)