年金をもらいながら働いて受給額アップを
その上で「元気なうちは働き続けることが一番」だと拝野さん。年金制度自体も“年金をもらいながら働く”ことを後押しする内容に変化していると話す。
「'24年10月から、従業員51人以上の事業所も社会保険の適用が義務化され、パート・アルバイトへの社会保険の適用が拡大されました。パートで働きながら70歳まで厚生年金保険に加入し、将来もらえる年金額を増やしやすくなったといえます。
厚生年金に加入できるかどうかでパート先を選んだり、週の労働時間を増やして加入できるような働き方(週20時間以上の労働等)に変えるということを検討するのもアリだと思います」
65歳以上で年金を受給しながら働けば、毎年10月に新たに払った厚生年金保険料分が上乗せされていくため、増える楽しみも味わえると拝野さん。
また、働きながら年金をもらう場合、給与が多くなると年金の支給が停止すると心配する人もいるが、その基準となる停止調整額は令和7年度で月51万円(年収の12分の1と老齢厚生年金の月額の合算)と高水準。
今後はさらに基準値が上がっていくとみられるので、年金を減らさないための“働き控え”はほぼ無用といえる。
「一方で、'25年4月から雇用保険法に基づく高年齢雇用継続給付金は縮小。これは、65歳未満の人が60歳時点に比べて給与が75%未満に低下した際に支給される給付金ですが、従来賃金の最大15%が支給されていたのが最大10%となりました。
下がった給与の補填(ほてん)が減るわけですから、より思いきり働き続けるモチベーションになると思います」