受給額は変化すると心得ておくことが大事

 受給額を増やすことも重要だが、もう1つ大切なのは、受け取れるはずの額をきちんと確認しておくこと。

「転職を何度か繰り返した人、離婚歴がある人は加入が確認されていなかったり、年金番号が2つになっていることが。また、女性に多いのは配偶者に扶養されていた時期とされていない時期があり、その隙間に年金保険料の未納期間が発生していること。年金事務所で確認しましょう」

 記録の修正や番号の統合、未納期間の年金保険料の後納はできる場合もあるが、勤務先への確認など対応に数か月かかる場合も。その間は年金の支給がストップすることもあるため、受給が始まる直前ではなく、事前に余裕を持って確認することが重要だ。

「年金制度は、年齢や職業、家族構成などで受給額が変わるなど本当に複雑。しかも年金額改定はほぼ毎年のように行われています。ですから、1度確認した後も“手取り額は変わる可能性大”と心得て注視していくことが大切です。そうすることで年金生活を安心してスタートできると思います」

教えてくれたのは……拝野洋子さん●社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー。All About「年金・社会保障」ガイド。年金や社会保険、家計の見直しなど2000件以上のお金の相談に対応。著書に『年金格差はこうして起こる!? 女性のための老齢年金と遺族年金』。

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取材・文/河端直子