「心が和む楽しい時間」
1998年、雅子さまはお誕生日に際した会見で〈よく“夫婦喧嘩は犬も食わぬ”と申しますけれども、喧嘩の種は割とよく拾って食べてくれるような気がいたします〉と、ユーモアたっぷりに話されている。
「ピッピはセラピー犬として活動をしていました。同じく由莉もコロナ禍前までは小児病棟に入院している子どもたちのもとを訪れ、心を癒す活動をしていました」
由莉には適性があり、訓練を受けてセラピー犬の能力を開花させたという。
「飼い猫では、今はセブンがいます。以前はニンゲンとみーという名の猫もいました。
愛子さまが初等科3年生のとき、1匹の母猫が赤坂御用地に迷い込み、愛子さまが餌をあげると、子猫4匹を連れてきたそうです。
そのうちの3匹は愛子さまのお友達にもらわれたそうですが、母猫と子猫1匹は天皇ご一家に引き取られました。これがニンゲンとみーです」

学習院初等科3年時。赤坂御用地に迷い込んだ猫たちに、餌をあげる愛子さま。右から2番目のしっぽの短い猫がみー。その奥が母猫のニンゲン 宮内庁提供
愛子さまは、学習院初等科時代に、犬と猫との暮らしについて作文に書かれている。《犬は、かしこく活発で、人間となかよくなれる動物です》(3年時)。《私は、飼っている犬や猫と過ごす時が、一日の中で心が和む楽しい時間です》(6年時)。
愛子さまの温かく、優しいお人柄の形成に、迎え入れた犬や猫たちも寄与しているのではないだろうか─。
つげ のり子 西武文理大学非常勤講師。愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』など
取材・文/池谷百合子