メンバーとは素質とか音楽性、そして相性がぴったり合ったんですよね。これは幸運なこと。音楽を中心にして集まったグループとして、一緒になると水を得た魚のように、ひとつのユニットとして泳ぎ出すという。それは、演奏していてとても心地よいですね」(吉澤洋治)

「メンバーそれぞれが、個々の考えを持っているわけです。僕たちはそれを否定しないということを一番大事にしています。ゴダイゴが一番表現したいのが、“多様性”。今でいう“ダイバーシティ”なんですよね。みんな宗教も違うし、言葉も違う。

 それをすべて超越できたのが、音楽の力だった。だから僕たちは、ずっと前から多様性で活動している」(ミッキー)

「なんでゴダイゴがEXILEの曲をやるんだろう」

 “音楽の力”というマジックを通して、メンバー全員が一つにまとまっていく。それがゴダイゴの最大の魅力だ。そんな彼らの曲が今、20~30代を中心に若い世代にも共感を得ている。

 きっかけは、2007年にMONKEY MAJIKが『モンキー・マジック』を、
'08年にEXILEが『銀河鉄道999』をカバー
して、いずれも大ヒットしたこと。これ以外にも多くのアーティストにカバーされている。

「僕らの曲がカバーされることは、ありがたいなと思います。実はゴダイゴを始めるとき、プロデューサーと『スタンダードになる曲を作ろう』と話していて、そのときのゴダイゴのイメージが『自分たちが30年ぐらい先の未来からやってきた』というものでした。

 『モンキー・マジック』のリリースは'78年だけど、もっと後の世代のグループが演奏している感じです。ずっと未来の世界から来て作った曲ですから、今カバーされると当然スタンダードになるわけで、今の時代でも共感してもらえる。そういう意味では、僕たちの思ったとおりになったな、という感じですね」(ミッキー)

「EXILEのファンは、『銀河鉄道999』がゴダイゴの曲だと知らずに聴いているんです。以前ある音楽番組にEXILEと一緒に出演したときに、ゴダイゴだけが『銀河鉄道999』を歌ったんです。

 番組が終わってから、テレビ局の廊下で女の子2人が『なんでゴダイゴがEXILEの曲をやるんだろう』って話しているのを聞いて、えっ!? とびっくりしました(笑)。 ゴダイゴの曲は流行りに合わせて作ったものじゃない、いい曲ばかりなんです。いい曲は長生きするもの。だから、いつの時代でも旬な曲として聴けるんですよ」(トミー)

 20~30代がゴダイゴの曲を知り、多くの人がリスペクトするようになった。そして最近は親子2代のファンが応援してくれているという。

世代を超えて支持されるのは、感動的ですよね。まさに、ディズニーと一緒! 昔、『ゴダイゴがディズニーみたいな存在になれたら最高だな』という話をしていたことがありましたけど、それが現実になった感じですよね。

 ゴダイゴは今、'70年代に曲がヒットしたときに小学生だったファンたちが支えてくれている。そのときの僕らは20代後半だったんで、自分よりも10~15歳離れている人たちが中心なんですよ。どこの会場も満員のお客さんで、毎回、最高に幸せな気分でライブをやらせてもらっています」(タケカワ)