主菜の強い味方「鶏肉」にも暗雲が

 その例が、昨今の健康志向から、日本で最も多く消費される肉となった鶏肉だ。

「今年5月にブラジルにおいて高病原性鳥インフルエンザが発生し、日本をはじめ各国が輸入を一時停止しました。1か月程度で感染収束宣言は出されたのですが、鶏肉の輸出大国において世界的に流通がストップした影響は大きく、ブラジル産の値上がりが続いています

 安価で流通するブラジルの鶏肉は加工品などで多く使用されており、各小売業や飲食店などでもその影響が懸念されている。

総務省統計局の「家計調査家計収支編」によると、2025年3月における4人家族の平均的な月間食費は10万6857円に達した。2023年同月は8万8233円で、1万8624円もの増加となっている
総務省統計局の「家計調査家計収支編」によると、2025年3月における4人家族の平均的な月間食費は10万6857円に達した。2023年同月は8万8233円で、1万8624円もの増加となっている
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流通量が減れば当然値段が上がります。5月に全国のスーパーで売られる鶏肉の平均価格が100g150円と過去最高額になったのもこの影響があるのでしょう。そもそも、鶏肉においては国内自給率が65%といわれていますが、

飼育に必要な飼料やその肥料、エネルギーなどは輸入頼りですから、このブラジル鳥インフルエンザ問題以前から値上がりが続いていました。今後も価格はなかなか下がらないと思います

 これは牛や豚などの肉類にもいえること。

「自国で飼育コストをコントロールできる国と比べると、日本の畜産業は非常に脆弱(ぜいじゃく)です。その上この気候で家畜の育成が悪く、また鶏卵も小ぶり化しているといわれている。さらに厳しい現実に直面するかもしれません