嗜好品は軒並み高価格!今こそ意識改革を
輸入に頼っていると輸入先となる国の影響がダイレクトに家計に響くのは前述のとおり。80%を輸入に頼るカカオや、ほぼ100%輸入のコーヒーもしかり。
この8月以降、マヨネーズなどを生産するキユーピーでも、鶏卵をはじめとするさまざまな原材料価格の高騰、人件費上昇の影響により値上げを発表。無印良品なども計85品目についての価格改定に踏み切る。
他にも、各企業から値上げの告知がなされており、もはや企業努力では価格は抑えられない状況だ。
そんな中において、消費者の価値観も変えなければならない、と渡辺さん。
「今の日本は、過去30年のデフレ節約志向のひずみが爆発しています。人件費もコストも削って、とにかく消費者が望む“安くていいもの”を追い求めてきた。気候変動も人口減少もコスト高も、自国の努力ではどうにもならない問題が山積の今、あらゆるものが値上がりするのは当然なのです」
各家庭でできる打開策は何か。それは「地産地消」だ。
「これだけ食費が値上がったとあえいでいても、いまだ日本はフードロスの割合が高い。売り物にならない規格外品野菜などが大量に捨てられています。
この野菜の規格というのは各県や産地で決められていることが多いようですが、これらも見直して、日焼けがあろうと、傷があろうと虫食いがあろうと多く流通させ、買うかどうかは消費者に任せればいいんです。高い品質を追い求めるなら、高い金額を払って購入すればいい」
それでなくてもこれだけ暑いと、ロスさせようと思わなくても野菜や果物をうっかり腐らせてしまうことも非常に多くなるだろう。
「あとは極端なことを言っているようですが、私は自給自足の生活に立ち返ったらいいと思います」
たかだか80年程度前には多くの家で鶏を飼ったり、野菜を作っていた。ミニトマト、ピーマン、枝豆、ゴーヤの夏野菜など育てやすいものは自分で作ってみてはどうか。
「これだけ地球規模で予測不可能なことが起こっているのですから、本当に自給自足しなければならない時代が再びやってくるかもしれません。家庭菜園が趣味ではなく、生きる手段になるのです」