「今はとにかく燃え尽きた、やりきったな、という達成感にあふれています! 夏のいろんな魅力を満喫できた一日になりました」
そう言ってすがすがしい笑顔を見せたのは、“演歌の王子様”辰巳ゆうと。夏をテーマにした『辰巳ゆうとフェスティバル〜運命の夏祭り〜』は昼・夜の2回公演。
「僕の人生ですごく大きな経験でしたね」
自身の曲はもちろん、北島三郎から桑田佳祐、aikoまで、幅広い年代の夏の名曲をカバーした。
「自分が歌いたい曲よりも、みなさんに楽しんでもらえることを最優先しました。
普段のコンサートではなかなかカバーする機会のない曲ばかりを選んだので、年に1回の、一番攻めたセットリストになったと思いますね」
準備は想像以上に大変だったと振り返る。
「でも終えてみると、来年もまたやりたいなという気持ちに。“一人フェス”状態だったので、次こそはゲストも呼べたらいいな(笑)」
この夏の忘れられない思い出として語ってくれたのは、念願の富士登山。
「5合目からスタートし5合目まで戻ってくるプランで、1泊2日で行ってきました。7合目から8合目は、岩場をひたすら登っていくような感じ。足もパンパンだし、メンタルとの戦いでしたね。その晩に山小屋で食べたレトルトカレーが驚くほどおいしくて! 全身に染み渡りました」
翌日は朝2時に出発し、山頂で御来光を拝むことができた。
「普段は何げなく見ている太陽なのに、自然と涙が出てくるほど感動しちゃって。“人生観が変わる”とよく言うけど、本当でした。これ以降、しんどいときも“今は富士山の7合目だ”と思える。僕の人生ですごく大きな経験でしたね」
山頂にある神社の絵馬には、最新シングル『運命の夏』ヒット祈願と、『NHK紅白歌合戦』初出場への願いを記してきたと語る。
曲名にちなんで、人生最大の“運命”を感じた出会いを聞くと、
「愛犬のバズ(トイプードルの♂)です。最近は、より甘えん坊になってきて。僕が留守のときに“寂しさアピール”として、わざとベッドに粗相をすることも(笑)。でも僕がいるときはちゃんとできるんですよ。バズは息子でもあり、時には相棒のような存在。これからも、一緒にいろんなところへお出かけしたいです」
歌手としての運命を決定づけた一曲は、『迷宮のマリア』。現在、柏レイソルのFW・垣田裕暉選手が応援歌として使用していることでも話題に。
「この曲で、コンサートでの合いの手が生まれました。みなさんが立ち上がって盛り上がってくださる姿を見ると、毎回うれしくなりますね。そして普段、僕の歌を聴かない人たちにも届き始めていると感じます。今後、僕の代名詞になってくれるといいな」
9月20日からは大阪で『秋だ! 笑いだ! 松竹新喜劇 九月公演』に出演。10月24日にはLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でライブ、12月にはクリスマスディナーショーを控えるなど、その勢いは止まらない。
「実は9月7日に、柏レイソルのスタジアムで歌わせてもらいます。レイソルサポーターの方と“ゆうサポ”(ファンネーム)がつないでくれた縁だと思うと、本当にありがたいです。辰巳ゆうと、今年もまだまだ頑張ります!」