
「15年ぶりの映画出演で、しかも主演。とても光栄だなと思ったと同時にブランクがあったので、“映画の撮影ってどんな感じだったっけ?”と思うくらい、不安もあって(笑)。セリフを覚えられるのかなとかいろいろ悩みましたが、またこうやって挑戦させていただけることにワクワクする気持ちのほうが大きくて、思い切ってやらせていただきました」
電池切れ状態になっています(笑)
東京大学に在学中からモデルや女優として活躍し、今年で芸能生活27年。10月10日公開の映画『種まく旅人〜醪のささやき〜』で、『大奥』(’10年公開)以来、15年ぶりの映画出演を果たす菊川怜。
物語は、兵庫県淡路島の老舗酒蔵を舞台に、日本酒造りに関わる人々が抱える問題や葛藤をリアルに描いていく人間ドラマ。菊川は、その老舗酒蔵を訪れる農林水産省の官僚で、根っからの日本酒オタクとして、共に酒蔵の未来を考えていく神崎理恵を演じる。
「淡路島は今回初めて訪れました。撮影がメインだったので、いろいろな場所を回れませんでしたが、仕事が早く終わった日には、評判のいいお店を聞いて、お刺身とか魚介類をいただきました。
日本酒も好きで、二十歳になって飲めるようになったとき、大学のサークルの先輩に飲み比べに連れていってもらったんです。そのとき、見た目は透明で同じだけど、味はそれぞれ違って面白いなって思って。そこから好きになりましたね」
私生活では6歳の長男、4歳の次男、そして3歳の長女という3人の子のママ。
「まだ手がかかる年頃なので大変です。気づいたら毎日、“残りがあと1%しかない!”みたいな電池切れ状態になっています(笑)。
子どもたちには、たくましい子に育ってほしいです。時代が急速に変化している中で、パソコンを使いこなしたりとか、世の中に適応していってほしい。未来をつくっていくのは子どもたちですから。みんなで手を取り合って、のびのびと育ってくれたらと思います」
育児を優先していた菊川だが、昨年から芸能活動を本格的に再開。8年ぶりのドラマ出演となった『買われた男』では、女性用風俗(通称・女風)の経営者に扮するなど、新たな役柄にも挑戦した。
「まず“女風”というのが何か知らなかったので、プロデューサーさんに話を聞いたりして役づくりをしました。弁護士さんとか、これまでまじめな役を演じさせていただく機会が多かったですが、クセのある役もやってみたいです。年齢を重ね、いろんな経験をする中で、役の幅も広げていけたらと思います」
女優以外にも、’12年から5年間にわたりキャスターを務めた『情報プレゼンター とくダネ!』(フジテレビ系)など、情報番組の仕事にもあらためて挑戦してみたいと話す。
「『とくダネ!』は、毎日が生放送で緊張感もありましたし、チームで番組をつくり上げている一体感が楽しくて、勉強になりました。失敗もいろいろありましたが、印象に残っているのは、エンディングで小倉(智昭)さんが真剣な表情でお話しされていたときのこと。その横で、まずいと思ってもどうしても我慢できなくて、思いっ切りくしゃみをしちゃったことです(笑)。
今は母親となって、物事をまた違った視点で見ることができると思いますし、子育てもあるので毎日は難しいですが、携わってみたいなと思います」
子どもたちと休みを満喫!
「この夏、子どもたちと釣りに行きました。長男が魚が好きで、将来は漁師さんになりたいって言っています(笑)。海で釣りができる施設があって、そこで釣った魚をみんなで食べたりできるんです。私もアジを釣りました。それこそ、映画の舞台となった淡路島は魚が豊富なので、いつかみんなで行けたらいいですよね」
きくかわ・れい 1978年2月28日生まれ。埼玉県出身。’98年にスカウトされモデルとして注目を浴び、その後、女優としても活躍。’24年、『買われた男』(テレビ大阪ほか)で8年ぶりにドラマ出演。主演映画『種まく旅人〜醪のささやき〜』が10月10日(金)よりTOHO系全国ロードショー。