選択の上で「今、自分はここにいる」

 共演した長澤や永瀬について聞いてみると、

「学ぶことはたくさんありました。表現の一つひとつや放った言葉が、脳みそをリフレインするほど印象に残ったり。あとはスピード感の抑揚とか。そんなおふたりとご一緒できたことが、もうめっちゃ財産です。

 当初、善次郎が絵を描くシーンはなかったんです。でも僕自身が絵を描くことを監督に知っていただけ、加えてもらえて。現場には“練習小屋”がありまして。行ってみるとおふたりが黙々と練習し、どんどん上達されていて。僕も加わり、すごく練習しました。本当に部活みたいでした(笑)」

 家族のために絵を描いていた善次郎だったが、途中で筆を置き、別の職業に就く。高橋に、職業をかえたいと思ったことはあるかと尋ねると、

「善次郎にとって、将来のことを考える分岐点。そういう意味で言うと、選択を迫られる分岐点はすでに結構いっぱいあって。事務所に入るところから、そう。ずっとダンスをやって生きてきた自分にとって大きな決断でしたから。グループが始まり、その形が変わったり。選択する場面はいっぱいありましたが、でも今、自分はここにいるということが答えですね」

 と、ニッコリ。現在26歳、20代も後半に突入。俳優として、King & Princeとして、どう過ごしていきたいと思っているのだろう?

「やりたいことも、できることも年齢によって変わっていく。だからこそ、“今やりたい”“できそうかも”と思ったものは、そのフレッシュな気持ちのまま全部やりたい。超欲張りなんですけど(笑)。

 キンプリとしては、応えられることには全部応えたい。そのあたりのバランスは(永瀬)廉と常々話し合っています。

 俳優に関しては、役は自分で選べるものじゃないので。オファーをいただけたなら誠心誠意、めちゃくちゃ本気で。それに、経験値が減ることは絶対ないし、増えていく一方だと思うので。成功しても失敗しても、とにかく全部全力で。

 そうやってずっと本気で頑張っていれば、きっと大きくなっていけると思っていて。その経験のもと、30代を迎えたいですね」