制作費の2倍の興収を稼がないといけない
会社側もクランクインの直前まで作品の全貌を知らされていなかったとは思えないが、予算のオーバーに対して厳しい判断を下したことになる。
「一般的に映画は“制作費の2倍の興行収入を稼ぎだせないと失敗”と言われています。冷静に判断した結果、そこまでの売り上げを確保するのは難しいと思ったのでしょう。制作チームも、膨らんだ予算から5億円を削るのはさすがに難しかった。
10月からのクランクインを前に、断腸の思いで中止を決めたといいます。松村さんはバイクに乗るシーンを自然に演じるため、撮影に向けてしっかり練習していたそうなので、ショックも大きいでしょうね」(前出・テレビ局関係者)
延期ではなく中止ということになると、キャストやスタッフに与える影響も大きい。
「出演者はこの映画のために、ずいぶん前から1か月以上のスケジュールを空けていたのに、まったく仕事が無くなってしまった。スタッフに関しても、長期間確保していたスケジュールを急にバラされて困惑しているといいます。
補償についての話し合いが目下、行われているようですが、はたして全員が納得するような金額が支払われるのかどうか……」(前出・制作会社関係者)
映画の制作を担当する角川大映スタジオに、制作中止は事実なのか問い合わせると、
「弊社は制作を委託されているだけなので、そういったご質問はKADOKAWAへお問い合わせください」
との回答があった。改めてKADOKAWAへも質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。
せっかくここまで準備したものがゼロになってしまうのは、あまりにも忍びない。なんとかもう一度、制作再開への可能性を探ってほしいけれど――。
※KADOKAWAから回答があり次第、追記する。