満島と共に出演した映画は今までに2作あるが、共演シーンはなかったという。今作で初めてガッツリ共演した感想は、

「頼りきりで、めちゃくちゃ支えられました。年齢的には下なんですけど、私より確実にしっかりしていて。仕事モードのときのひかりちゃんは“ノーといったらノー”を貫ける、とてもクールな人。だから、私としてはすごくやりやすかった(笑)。

 それこそ育った環境や家族構成は全然違うと思うんですけど、人としての考え方や進む方向性、“何のために生きるのか”みたいなところが似ている感じがします

“家族とは?”を考えるいいきっかけとなる映画

 本作の撮影中、柴咲の頭の中には“家族とは?”がずっとリフレインしていたと振り返る。

「“家族とは何ですか?”と聞かれても、“ただ存在していい人たち”としか言いようがなくて。いろんな家族があるから、一概に言えないし。どんなに親しくてもあまり踏み込めない部分だし。自分は内情を友達に話すタイプではないんですが、そうするとどんどん考え方自体が孤独になっていく。

 もちろん、人と比べることもできないし、人の家族を見たところでその内情もわからないわけで。“なんか難しいな”っていうのが家族だなと思います。でも、それを難しいと取るのか、課題や学びとするのか、“いるだけでいい”と悟りの境地に行くのか、それも自分次第。だから“家族とは?”を考えるいいきっかけとなる映画だと思っています

 本作に加えて、11月19日からは主演ドラマ『スキャンダルイブ』(ABEMA)も始まる。アーティストとしては全国17都市を巡るツアーの最中だ。独立して5年。社長業も行いながら、その活躍はますます精力的だ。

“やりたいな”“実現したいな”と思ったことの種まきが、企業さんとのコラボなども相まって形になってきていて。俳優としても出たい作品に出させてもらっていて。一つひとつの動きはやっぱり“点”で見られがちなんですが、それが“線”となるような形作りができたらいいなと思っています。

 まだ漠然としている部分もあるんですが、いつか“なるほど、こういうことね!”って、ある種の答えのようなものが提示できたらいいのかなと思っています」

 柴咲コウは、美しい線を描き続ける─。

持ち運んでいるもの

今、現場用もプライベート用も同じバケツ型のバッグを使っているんです。気に入っていて。そこにいっぱいチャームをつけています。ティッシュケース、ボックス型のリップ、目薬入れ、コインケースとか。小銭を使う機会もないのに、そのコインケースが可愛くて(笑)。あと、私って“ぬいぐるみ症”なんです。それこそ、けっこう大きめのぬいぐるみもつけています(笑)

(C)2025「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会 
11月28日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開 配給/カルチュア・パブリッシャーズ
(C)2025「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会 

11月28日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開 配給/カルチュア・パブリッシャーズ

【写真】どんな状態? 柴咲や満島がオダギリジョーを運ぶ最新作

取材・文/池谷百合子