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ー 『世論調査』の内部事情

 高市早苗首相の支持率が軒並み好調だ。

『世論調査』の内部事情

「各メディアの世論調査で高市内閣の支持率はおおむね高い水準で、中には80%を超えるものも。この数字は2001年以降で小泉純一郎内閣の次に高い。

 高市さんは小泉さんのように『郵政民営化』や『自民党をぶっ壊す』など国民を誘導するようなキャッチフレーズがあるわけでもないのに、この支持率は実質、史上1位といっても過言ではないのでは」(政治ジャーナリスト)

 一方でこんな声も。

「この世論調査というのがどこまで信憑性があるのかというと疑問です。実際に普通に暮らしていてこのような調査を受けたことがない人も多く、どういった層が答えているのか、と思う人も多いのでは?」(ネットメディア記者)

 世論調査はいったいどのようにして集計されているのか。全国紙政治部デスクが解説する。

「無作為に電話番号を生成し、固定電話や携帯電話に発信します。携帯だとそもそも知らない番号には出ないという層が多く、結果的に固定電話で電話アンケート慣れした層に偏りやすい。

 また、回答率は各社37%前後という低さ。世論調査の中身はふたを開けてみれば“退職後の暇を持て余している人”や“自分の意見を誇示したい人”が多いのでは。高市さんの支持者の多くは極右的な思想を持っているといわれ、こうしたアンケートと親和性が高いです」

 とはいうものの、そうした支持層以外にも高市内閣の人気は高いという。

「若者や中間世代はアンケートに答えるとポイントがもらえる“ポイ活”をしている人が多く、インターネット調査でも高市内閣は軒並み高評価なんです。SNSでも活動家ではない一般の人たちからの高評価も多い。報道各社の支持率調査はあてにならないけれど、高市内閣の支持率が高いのは間違いない」(前出・ネットメディア記者)

 石破茂前首相はこの高評価に「国民に受けることだけが、必ずしも国のためになるとは限らないのでね……」と皮肉めいたことを雑誌の取材で答えているが─。

「石破さんは報道各社とネットの双方で支持率が低かったですからね。ただ、自民党には石破さんと同じように、高市さんをよく思っていない人が多くいる。自民党内の支持率は2割くらいで、国民からの支持率とここまで乖離しているケースも珍しい。他の政党支持者も高市さんを支持していることに他ならないといえるでしょう」(前出・政治部デスク、以下同)

 この支持率の高さは国民にとって良い影響を及ぼすのだろうか。

「民主党政権の発足当時も支持率は80%超だったことを考えると……。ただ、支持率が高いと現場の士気が上がるのは確かなので、この高支持率の間にガソリン暫定税率の廃止や議員定数の削減などの政策を有言実行するべき。ダラダラしていると支持率もあっという間に下がってしまいますから」