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ー 「10万円は握りしめて来て」

 

 タレントで実業家の加藤紗里が、日本一の繁華街である新宿・歌舞伎町で新たにBAR『鳳凰』を始めるという。これまでも、銀座のクラブ『莉里』やタトゥースタジオ『LOCOS』のプロデュースなど、多方面で活躍していた加藤。なぜ今、歌舞伎町でバーをオープンさせたのか。

 本人に取材を申し込むと、開店前の『鳳凰』で話を聞かせてくれた。

「10万円は握りしめて来て」

「進出のきっかけは、お店の常連さんからの声でした。タトゥーショップを始めてからもう4年くらいになるんですけど、そこで仲よくなったお客さんから“銀座じゃなくて、歌舞伎町で酒が飲めるお店をやってよ“って言われたんです。そこから真剣に考え始めました」

 銀座のクラブと、歌舞伎町のバーの違いを聞くと、

「もともと、歌舞伎町で遊ぶことは全然なかったんですけど、銀座よりも歌舞伎町のほうが栄えている感じがします。飲み方も銀座のお客さまはしっぽり飲む方が多いですけど、歌舞伎町は賑やかに飲む方が多いので、若いパワーに溢れていて元気な印象です」

 BAR『鳳凰』のコンセプトは「不死鳥のように、みなさまとずっと一緒に」、そして「歌舞伎町にあって、銀座を感じることができる」というもの。落ち着いた雰囲気を目指しているため、価格設定も銀座のシステムを採用している。

歌舞伎町にBAR『鳳凰』をオープンする加藤紗里
歌舞伎町にBAR『鳳凰』をオープンする加藤紗里

「シャンパンは10万円からで、かなり強気に設定しています。焼酎ボトルを入れて、少しずつ飲んでもらって回数で稼ぐスタイルではなくて、求めているのは一発が強いお客さま。お酒が出ないと、私はお店に来ません。ケタにもよるんですが、3ケタくらいのお酒を頼んでくれるお客さまに私はついています。これは、私がいなかったら“最低限の注文でいいや”となってしまうのを防ぐためです。基本的に、会えるイベントはやっていないので、私に会うために来てくれる方が多いですね」

 タレント業に加えて、タトゥーショップや銀座のクラブ、歌舞伎町のバーと多忙を極める加藤。そんな中でも、特に重きを置いているのは子育てだと語る。

「5歳になる娘がいるんですが、子育てがいちばん難しいです。昼間は幼稚園に行っているので、その間に仕事をして、夜、私が仕事で出るときは、母やシッターさんが見てくれています。私が勝手にシングルマザーになったので、娘には“片親だから”と不自由な思いはさせたくない。バレエやピアノ、英会話など、娘がしたいと言ったことはもう全部させています。子どもが不自由にならないように、というモチベーションで仕事も頑張れていますね」

 新しくオープンさせるバーに興味を持った方に、何か伝えたいことはあるかと聞くと、茶目っ気たっぷりにこう答えてくれた。

「最低でも10万円は握りしめて来てくださいね。出してくれたら私に会えるかもしれないですよ。フフフ……」

 仕事に子育てに全力投球の加藤。歌舞伎町での彼女の挑戦は、まだ始まったばかりだ。