大物俳優たちの発言が連日ネットを賑わせている。黒沢年雄は闇バイト問題を、三田村邦彦は中国人による日本の不動産買い占めを警告。宍戸開のXは完全に政治系のアカウントに……。
なぜ俳優が論客になるのか
かつて芸能界の第一線で活躍した大御所たちが、いま“政治評論家”へと変身を遂げている。
「黒沢さんは8月、自身のブログで闇バイトに手を染めてしまう若者に苦言を呈し、《世の中には人に喜んで頂いてお金になる仕事はいくらでもある…月に50万位は簡単だ!》と私見。批判を浴びてのちに釈明しました」
だが舌鋒の鋭さは相変わらずだ。今月2日には同じくブログで、高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言に反発する中国に対し、《ちょっとした事で吠え続ける性格の悪い犬と同じ…中国の歴史の偉人の末裔とは思えない》と厳しく批判している。
犯罪者の悪事を暴き、それを世間に晒したドラマシリーズ『ザ・ハングマン』(テレビ朝日系)に出演していた黒沢。今はブログで“退治”しているようである。
一方、『必殺仕事人』(同系)で名を馳せた三田村邦彦も、Xで意気軒高だ。
「12月1日、兵庫県芦屋市の高級住宅街『六麓荘』が中国人富裕層に買い占められている問題を指摘。《自分の国の土地は個人のものにならないから他国の土地を買う。これっておかしな話だと思いませんか?》と国会議員へ直言。土地転がしやゴミ出しルール違反なども問題提起していました」
先月末、50年の歴史に幕を閉じた『くいしん坊!万才』(フジテレビ系)で10代目レポーターを務めていたのが宍戸開だが……。
「彼は自身のXのプロフィールに《俳優・写真家などをしています》と自己紹介していますが、リポストしているのは、マイナ保険証の移行についての記事や、れいわ新選組・長谷川ういこ参院議員による立花孝志氏に対する批判、沖縄に駐留するアメリカ軍兵士による日本人女性への性暴力事件の報道など、政治一色です」
それにしてもなぜ彼らは政治発言を始めたのだろうか。
「かつて彼らもテレビの第一線で活躍していましたが、現在は芸能界のメインストリームからは距離を置いており、政治的な発言をしてもさほど自身の芸能活動に影響がないのでしょう。SNSという個人でも発信できる場を手にしたことで、今まで抑圧してきた日本への危機感を存分に発信しているのだと思います」
それは相対的にテレビの衰退も関係しているといえるだろう。
「主要メディアがテレビの時代だったら言えなかったことでしょう。現代のネットメディアの台頭が生んだ現象だといえます」
次々と進む大御所俳優の“政治化”。その発言の是非は別として、政治と芸能の境界線は確実に消滅しつつあるようだ。
















